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ビジネスパーソンとしてのソーシャルメディア活用とその可能性

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2007年6月から毎日ブログを更新してから、1,200日を超えようとしています。

ここ半年間では、ツイッターはFaceBookが注目されており、私自身も活用はしていますが、昔(3年前)も今も変わらずブログを最も重要視しています。

ブログを最も重視している理由は以下のとおりです。

自分の専門性を創りだし、向上させることができる

私が本や記事の執筆や講演、そして、日経や読売や東洋経済などの新聞や雑誌取材を受けることができたのも、ブログによる情報発信によるものです。毎日ブログを投稿していると、自分自身が何が得意で、何が苦手かがよく見えてきます。ブログでは、自分の勉強のために時には得意としないテーマにも触れますが、できるだけ自分が得意とする(好きな)テーマを投稿するようにしています。テーマは、意識的に自分が現在取り組んでいる業務に近すぎず、遠すぎず関連性のあるテーマを選択しています。

この繰り返しが自分の専門性を高め、読者にとっても、何が得意で何が専門分野かと理解していただくことができます。ブログで情報発信を続けていると、まず社外でのプレゼンスが高まり、社外からの依頼を多く受けるようになります。そして、社外で得たプレゼンスを社内に持ち込み、自分の業務に適用させることが、自分の仕事への充実度を高める上で、重要な営みになると感じています。

ある程度成熟し信頼性のあるツールであること

矢野経済研究所が9月21日に公表した「ソーシャルメディアに関する調査結果」によると、商品やサービスに関する情報収集の行動意欲」としては、ブログを元にしたものがもっとも高いという結果が出ています。最近のツイッターなどの利用者が増えたことによって、ソーシャルメディア全体の利用者が増え、その中で、ブログの信頼性は増してきているように感じています。さらに、ツイッターの利用でブログの投稿をあまりしなくなった著名人の方もいらっしゃり、またCNETブログも一部閉鎖したことにより、ブログへの希少価値は高まってきているのではないかと感じています。さらに、ツイッターによるブログへの誘導などもあり、1年前と比べると私自身のブログも1.5倍から2倍のPV数となっています。オルタナティブ・ブログもブロガーが増え、ブロガーの日々の投稿の積み重ねにより、信頼度も増してきているのではないかとで感じています。

ツイッターもFaceBookも市場は伸びています。これからの市場拡大も期待されていますが、まだ成熟する前の段階のツールであり、これからどこまで成長するかも不透明なところがあります。そのため、ブログという柱を持ちながら、ツイッターやFaceBookなどで新しい仕掛けを考えて展開していくのが、得策ではないかと感じています。

ツイッターは人間性を表現し、つながりを広げるツール

ブログのメリットをこれまで述べてきましたが、万能とうわけでは決してありません。双方向性やリアルタイム性では、ツイッターやFaceBookと比べると劣っているといえます。ツイッターの場合は、特にその人の人柄が出ます。前向きな人もいれば、ネガティブなことばかりをつぶやく人もいます。専門的なことをつぶやく人もいれば、日常の出来事をつぶやく人もいます。人間性が出るため、その人の内面も一部のぞくことができ、価値観を整合させることも比較的容易になります。

つながりを広げていくツールとしては、非常に有効なツールであり、リアルタイム性のやりとりでは、時には高いスキルが求められることもあるでしょう。しかし、つながりが生まれる一方で、つながりが途切れるというリスクも抱えています。今まで価値観がいっしょだったと思った人が、全く意に反するつぶやきをしていたら、付き合い方の見直しが必要となってくるということもあるかもしれません。

また、ツイッターを活用してのオフラインの集まりを企画するのは、非常に効果的です。これまでクラウドを主なテーマとした勉強会を4回ほど実施してきました。一番少ないときで約20名、一番多いときで60名の方が集まりました。ツイッターで募集をして、クラウドという同じ領域に関心を持つメンバーが集まることによって、自然とビジネスでのつながりも生まれてきます。

ツイッターで、過度にビジネスそのものを期待するというのは酷ですが、ビジネスの領域を広げていく上での人脈形成には役立つといえるでしょう。

ブログや「中長期の戦略視点」、ツイッターは「短期の戦略視点」で

私自身、ブログを投稿するときに、ある程度中長期視点で捉えて取り組んでいます。ビジネスの詳細性を感じるものには、積極的にとりあげるようにしています。クラウドコンピューティングについては、注目される前から投稿していましたし、読売、日経、朝日と取材を多く受けているツイッターと地域活性化についても3年以上前から取り上げてきました。人より早く取り上げ、中長期でブレークする可能性のある分野を自らが開拓して情報発信し、影響を広めていくことの重要性を感じています。ツイッターの場合は、特に戦略というものは持っていませんが、ブログのネタや興味があるICTやビジネスの分野、そして、時には講演の宣伝などもしています。また、わんとぴで「クラウド」「電子書籍」「情報通信政策」の3つの分野を担当しており、できるだけ最新の情報をタイムラインに流すように心がけています。ツイッターは個人アカウントの他、専門性を補うためにテーマ別のアカウントを持つことも自分の領域を広げる意味でよいでしょう。現在、個人とわんとぴのテーマ別アカウントを足すとフォロワー数が7,000を超えており、うまく使い分けることによって、相乗効果を生み出すことができます。

ブログは「幹」、ツイッターは「枝」、FaceBookは「花?」

私自身はブログを「幹」いう位置づけで、ツイッターは「枝」でその時々でいろんな色の葉をつけるというアプローチをしています。ブログとツイッターをうまく使いこなすことによって相乗効果を生み出すことができるでしょう。さらに、最近話題のFaceBookは非常に機能的に充実していて魅力を感じているのですが、どのように位置づけるのかは、まだまだ日本市場に普及しているとは言いがたい状況ですので、現時点では活用方法について悩んでいます。あえていうとしたら、FaceBookは「花」のようなイメージになるかもしれません。

ビジネスパーソンとしてのソーシャルメディアの活用

私自身、ブログのタイトルが「『ビジネス2.0』の視点」とあるように、常にビジネスとICTの視点でブログを投稿しています。もちろん、ツイッターもプライベートな内容も1~2割程度ありますが、クラウドやビジネスや情報通信政策に関するつぶやきを重視しています。もちろん、プライベートのつぶやきは楽しいし、満足度も高まるかもしれせん。プライベートのテーマが中心となると、共通テーマが多くなり、フォロワー数も増えるかもしれません。

しながら、つながりだけを重視する活用であれば、つながりはある程度の時期で落ち着きますので、過去の例を見る限り、ソーシャルメディアの活用に疲れてしまういわゆる「○○疲れ」が生まれ、それが繰り返されることになってしまいます。ある程度安定した活用を中長期で続けていくためには、ビジネスとしての視点とフィードバックのサイクルをつくることが重要であると感じています。

ソーシャルメディアにはいろんな活用があり、価値観はそれぞれあると思います。私の場合は、ビジネスパーソンとしてのブログとツイッターをメインに活用しながら、その可能性について、これからも掘り下げていきたいと考えています。

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