「仮想プライベートクラウド」という選択
クラウドコンピューティングは、一般的には、セールスフォースやアマゾン等がインターネットで提供する「パブリッククラウド」と企業で個別にクラウド環境を構築する「プライベートクラウド」の二つに分けられるケースが多いでしょう。
また、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)が、公表している「 Draft Working Defenition of Cloud Computiing」では、「プライベートクラウド」、「コミュニティクラウド」、「パブリッククラウド」、「ハイブリッドクラウド」の4つに分類されています。
また、総務省やGICTF(グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム)の資料では、「ハイブリッドクラウド」の発展系として「インタークラウド」というキーワードを使っています。
日経コミュニケーション(2010.8)の記事の中で「仮想プライベートクラウド」というテーマについて記事がありました。「仮想プライベートクラウド」とは、「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」のいいとこ取りをしたもので、
IP-VPNや広域イーサネットいった閉域網やインターネットVPNを介してパブリッククラウドを利用する。基本的にパブリッククラウドであるため、需要に応じたリソース調整の柔軟性が高く、データ処理量、アクセス頻度、ユーザ数などの変動が大きいシステムに適している。
と書かれています。
ユーザの中では、パブリッククラウドはインターネット経由であるために、セキュリティ面で不安を感じるケースも多く、またプライベートクラウドでは、規模の経済でのコストメリットをなかなか得にくいといったデメリットもあります。クラウドが今後、普及することになれば、ネットワークも含めてクラウドの環境を考えていくことが重要となるでしょう。
そういった意味で「仮想プライベートクラウド」が、今後のクラウド導入の大きな選択肢の一つとなっていくのではないかと考えています。