ビジネスにiPadを活用する
昨日、大木さん が、「iPad on Business」を出版されました。8月4日には、「iPad on Business出版記念」も開催される予定で、私も申し込みさせていただきました。とても楽しみです。
iPadは既に飽きたとか、ビジネスには使いものにならないというネガティブな意見もいくつか出てきてはいますが、今後、iPadでのビジネス活用の可能性については、様々な視点で議論されていくのではないかと感じています。
さて、今月の日経コミュニケーション8月号の特集「こうすればできる スマートフォン徹底活用」の中で、「iPad編」がありましたので、少し取り上げてみたいと思います。
企業での導入事例がいくつか紹介されています。
- みずほ銀行 7月に顧客対応ツールとして試験導入
- 大塚製薬 MR向けに1300台の導入を決定
- 三菱東京UFJインフォメーションテクノロジー 社内の情報端末として試験運用を開始
- ガリバーインターナショナル 営業担当者向けに1,000台の導入を検討
などです。
企業での導入メリットとしては、
- スマートフォンと同様の軌道の速さと持ち運やすさ
- 9.7型の大型画面でスマートフォンよりも操作性に優れる
などがあげられています。そして、大画面によって、リモートデスクトップ機能などを用いて、パソコンの画面を表示する「仮想デスクトップ」が現実的になったという点があげられています。
三菱東京UFJインフォメーションテクノロジーの場合は、全社で既に構築をしたシンクライアントの環境の端末としてiPadを導入することを検討しているようです。シンクライアントの環境は、iPad用のCitrix Receiverで資料を閲覧するために、Citrix Desktop Delivery Controller 経由で社内の環境にアクセスできるようになっています。導入の目的としては、社内のペーパレスを推進する中で、iPadが仮想デスクトップ端末として有効と判断されているようです。
ガリバーインターナショナルの場合は、営業の顧客訪問用に大量導入を検討しており、「ドルフィネット」という中古販売システムで、クルマの商品画像や一覧表を表示でき、これをiPadでも閲覧できるように計画しているようです。また、クラウドへの移行も積極的に進め、既に「Google Apps」を導入しており、順次クラウドへの移行を計画しているようです。中でのiPadはクラウドへの親和性が高く、いつでもどこでも業務システムにアクセスできる環境ができ、デバイス側のアプリケーション開発が必要なくなるというメリットもあげられています。
当面のiPadのビジネス活用としては、お客様と接する機会の多い、店舗での受付や、営業担当などが上げられるでしょう。通常の業務としては、WindowsのOSに様々なアプリケーションをインストールしているケースも多く、まだまだ時間を要すかもしれません。ただし、仮想デスクトップとして、社内のPC環境にアクセスするといった活用は増えてくるでしょう。
今後は、シンクライアントを始めとしたモバイルソリューションを提供している事業者としても、iPadも選択できる端末の一つとして、提案・構築できる体制は整えておくことが、重要となっていくのかもしれません。