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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

日本経営協会の経営情報誌に寄稿しました(テーマは、クラウドコンピューティングと企業経営)

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日本経営協会が、発行する経営情報誌「オムニ・マネジメント」の2010年5月号の特集が、「クラウドコンピューティングと企業経営」組まれ、その中で「課題も多いクラウド。解決するためのルール作りが不可欠に ICTが今後企業に迫る変革の現実とあるべき対応」というタイトルで、記事を寄稿させていただきました。

記事の冒頭の部分をご紹介させていただきたいと思います。

クラウドと産業革命

“坂の上の雲”や“龍馬伝”が描く日本、近代化という目標に立ち向かうエネルギーに人々の関心が集まっている。この歴史的なペリー来航時の開国要求と近代化の流れは、クラウドコンピューティング(以下:クラウド)の潮流と共通点が多い。    
1853(嘉永6)年、ペリー提督の率いる4隻の黒船が浦賀沖に突如来航し、大砲を打ち鳴らしながら江戸湾に入り、江戸市民は大パニックに陥った。幕府への開国要求と同様に、グーグル、セールスフォースなど、何隻かの黒船が「クラウド」という大砲を打ち鳴らしながら日本に上陸し、クラウド市場の開国を進めている。      
ペリーが来航した時期は、西ヨーロッパでは産業革命を迎えていた。産業革命とは、「工場制手工業」から「工場制機械工業」への変革であり、それによって大量生産が可能となり、産業は著しく発展を遂げた。      
今、世界では、クラウドの普及に伴い、グーグルやマイクロソフトなどが世界各地で巨大なデータセンターの建設を進めている。これらの潮流は、産業革命に匹敵するほどの、大きな産業構造の変革期と考えることができる。      
これまで、企業は主として自社のシステムを自前で構築・運用をしてきた。そして、情報システムの一部のコンピュータ資源が、世界各地の巨大なデータセンターへと移行し、ユーザにコンピュータ資源が自動的に配分される時代になった。IT産業においても、今、産業革命の「分業」と同様に世界規模での「世界分業」が進んでいる。      
産業革命では、「工場制機械工業」で大量生産された工業製品を輸出していくために、植民地の獲得競争が起こった。そして、今、巨大なデータセンターで大量生産されたクラウドを利用するユーザの獲得競争が世界規模で進み、大きな産業構造の転換が起きている。クラウドの市場成長によって、市場の寡占化が進み、勝者と敗者の優劣が顕著になる可能性がある。今、クラウド時代に適応した事業の再構築が求められている。      

最初の部分は、クラウドコンピューティング概要や取り巻く背景、そして今後の市場環境について整理し、後半は、企業がクラ ウドをどのように活用していくか、方向性について書かせていただきました。

終わりの部分を引用したいと思います。

今後、企業の情報化戦略において、クラウドの導入可否の判断も含まれるようになり、自社保有の「IT資産」とクラウドの「IT経費」とポートフォリオをどのように設計していくかといった、経営戦略としての方向性を決めていかなければならない。    
経営陣の迅速な判断と導入に向けたイニシアティブが成功可否を大きく左右することになるだろう。

「クラウド・ビジネス入門」を上梓してから、一番多く問い合わせや依頼をいただくのが、クラウドと企業経営についてです。クラウドというトレンドから、いかに企業が使いこなしていくかという流れに時代が変化しているのを実感しています。

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