霞が関クラウドの検討状況について
霞が関クラウドや自治体クラウドなど、政府の電子政府・電子行政クラウドの動向が注目されています。今回は霞が関クラウドの検討状況について取り上げてみたいと思います。
総務省は、12月2日、「政府情報システムの整備の在り方に関する研究会(第5回)」を開催し、今後の検討の進め方や政府共通プラットフォームのフレームワーク(案)、政府共通プラットフォーム構築による効果や情報セキュリティ対策に係わる課題などについての資料を公開しています。
統合・集約化に向けた検討については、
まずは、政府共通プラットフォームを具体化した上で、統合・集約化による効果を定量的に試算するとともに、統合・集約化対象システムの考え方を整理するとしています。
(1)政府共通プラットフォームの具体化
→政府情報システムの統合・集約化を実現するためのフレームワークを明確化
(2)統合・集約化による効果の試算
→政府情報システム統合・集約化することによる効果をできる限り定量的に試算
(3)政府共通プラットフォーム活用の方向性
→ 統合・集約化対象システムの考え方等、政府共通プラットフォーム活用の方向性を整理
システムフレームワークの図として以下の案をあげています。
データ連携に向けた検討については、
具体的なデータ連携ニーズを踏まえた上で、データ連携の実現方策を検討し、データ連携による効果及び実現に向けた課題等を整理していくとしています。
(1)具体的なデータ連携ニーズの調査
→統計情報や職員情報等の行政情報の共同利用、重点71手続(※)における添付書類削減の観点から、データ連携ニーズを調査
(2)データ連携実現方策の検討
→具体的なデータ連携ニーズを踏まえ、データ連携の実現方策を検討
(3)データ連携による効果
実現に向けた課題等の整理→ データ連携実現による効果、データ連携実現
また、政府共通プラットフォーム構築による効果として、「開発・運用コストの効率化」、「管理運用にい係わる負担の軽減」、「グリーンITへの貢献」、「業務見直し推進」、「安全性・信頼性の向上」と5つのカテゴリに分けて整理をしています。
一方、政府共通プラットフォームの情報セキュリティ対策に係わる課題(例)をあげており、政府共通プラットフォーム全体のセキュリティレベルの考え方や保存される情報管理の考え方など、全体方針の検討を第一にあげています。また、スケールメリットを活かした効率的な可用性や信頼性を向上を勧めるために、より効率的なセキュリティ向上策の検討をあげています。また、仮想化環境における特殊性を解消する方策の検討についても掲載されています。
本研究会では、平成22年1月を目途に最終報告書の取りまとめを予定しています。報告書の公表まで1ヶ月あまりということを考えると、ほぼ最終段階にきているのではないかと思われます。最終報告に基づき、来年度以降、どのように現状分析や要件定義を進んでいくのか、注目されるところです。