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電子書籍端末の相次ぐ登場で勢力図は変わるのか

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アマゾンのKindle に代表されるように、ここ1、2年、電子書籍市場が盛り上がりを見せています。調査会社の米Instart社の調査によると、世界における電子書籍専用端末の出荷台数は、2008年は100万台に対して、2013年には約3000万台に達すると予測しています。市場が拡大することになれば、電子書籍端末も様々なプレイヤーが参入することになるでしょう。

ソニーは12月17日に、米国で電子書籍端末向けに新聞・雑誌コンテンツの配信を始めると発表(関連記事)し、日本市場での再参入も計画しています。

アップルも電子書籍対応の新型端末を来年春にも発売することが明らかになっており、アマゾンのKindleのインパクトを上回る可能性もあるでしょう(関連記事)。

また、NECビッグローブは、アンドロイドOS搭載の7インチの端末の利用モニターを来年2月~3月にかけて実施することを発表しています(関連記事)。

その他、グーグルなども書籍端末の投入を計画しており、2010年以降は、相次ぐプレイヤーの参入により電子書籍市場の勢力図は大きく変わる可能性が考えられます。

しかしながら、日本での電子書籍端末の普及は、欧米と比べると時間がかかることが予想されます。携帯電話向けの電子書籍の普及が進んでいるため、電子書籍端末の普及に向けた大きな壁となることが考えられます。また、「再販売価格維持制度」といったように出版社が決定した販売価格を維持する仕組みが定着しているため、電子書籍としてのメリットのある価格を提供するのはなかなか難しいのが現状かと思います。

2010年は、電子書籍の普及元年であり、日本国内での電子書籍端末の登場とコンテンツの充実に向けた取り組みの行方が注目されるところです。

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