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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウド時代のSIビジネス

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日経コンピュータ(2009.10.14)に「クラウド時代のSIビジネス サービス化が変える事業構造 日本の事業者にもチャンス」という記事を大変興味深く読ませていただきました。

私なりに解釈するとポイントは以下に要約されるのではないかと思います。

他社と共通するアプリケーションはクラウドに任せて、自社独自のアプリケーションに集中する「選択と集中」の手段として見るべきである。

クラウドコンピューティングはデータ量や負荷の変動が大きい処理は向いているが、データ量は大きいがリアルタイムに取引データの一貫性が要求されるものは、不向きである。

クラウド開発の特徴は、永遠に未完成のサービスであり、納期が短縮化し、開発単価が下落する。そのため、SI事業者は大きな転換を迫られる。また、利用企業もサービス提供をするため、SI事業者と利用企業の違いは小さくなる。

クラウドはSI事業者にとってもチャンスであり、日本の人材流動の低さが、サービスの継続的な改良を考えると、強みとなる。また、利用企業による開発が増え、これまでの多重下請け構造を変える可能性がある。そして、ソフトウエアの開発手法が大きく変わるため、若い技術者ではチャンスであり、これまでの経験ではなく自由な発想が求められる。

国産データセンターの構築は心理的には理解できるが、土地代、建築費用、人件費、電気代などを考慮すると、割高なデータセンターは、企業にとって不利益を被る。また、日本以外にデータのバックアップをする必要があるため、法的問題は解決しない。

クラウドは、大きな効果が期待される半面、SIビジネスに与える影響は大きい。クラウドは、コスト削減だけでなく、環境負荷軽減からも採用する動きが出てくるだろう。そして、「社会リソース」を共有する技術としてコンピュータサイエンスは重要性を増していくことになるだろう。

以上引用終わり

私にとって、新しい気づきがあったのは、「選択と集中」についてです。これまでクラウドの高機能のサービスを戦略的に使うという発想があったのですが、本記事では、共通化部分はクラウドにアウトソースし、自社の強みとなる独自アプリケーションに注力するという考え方です。

それから、国産巨大データセンターの構築については、否定的な意見をされている点です。総務省や経済産業省、そして自治体等は国産の巨大データセンターの誘致に向けて様々な議論を進めていますが、土地代や人件費などを解決していくためには、政策や立地選択、環境への配慮、人件費の軽減(自動化)等、様々な対策が必要となってくるでしょう。現状では、外資系事業者はアジアでクラウドビジネスを展開する場合、シンガポールなどのその他の拠点のほうが魅力的に写っているのかもしれません。

クラウドコンピューティングをSIというビジネスから鋭く考察され、私にとっては大変気づきの多い記事でした。

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