グーグルコンピューティングは何が違うのか
日経コンピュータ(2009.9.2)のClose Upの記事に『グーグルは”異型”のメーカー 個々が違う、10個のポイント』という記事があり、興味深く読ませていただきました。
グーグルが採用している技術やアイデアは、従来のコンピューティングとは大きく異なるとし、その特徴を以下の10にまとめています。( )は比較
- 自前主義(水平分業)
- 情報爆発(線形的なデータ量増加)
- スケールアウト(スケールアップ)
- メニーコア(単体プロセッサの性能向上)
- ソフトウエアベースの耐障害性対策(ハードウエアベースの耐障害性対策
- 関数型言語(手続き型言語)
- エラー忘却型コンピューティング(ACID)
- キー・バリュー型データストア(RDBMS)
- クエリー処理中心(トランザクション処理中心)
- メモリー(ハードディスク)
グーグルの自前主義については、でGFSやMapReduce等のソフトウエアを開発し、サーバー等のネットワーク機器からコンテナ型データセンターそして海底ケーブルまでコンソーシアムを形成して自前で用意しているのです。
そして、2011年には1800エクサバイトに達するといわれる情報大爆発への対応、安価なPCサーバを大量に配置するスケールアウトへの対応も強化しています。
また、数十のプロセサコアを集約したプロセサの登場を睨んだWSC(ウエアハウス・スケール・コンピューティング)の概念を推進することによって、サーバー数十台入るラックが、今のデータセンターに匹敵するプロセサを内包するようになるとしています。
グーグルは、ハードウエアによる耐障害性対策を採用せず、ソフトウエア耐障害性対策に注力しています。グーグルの「The DataCenter as a Computer」の主張に基づき、複雑化するソフトウエアを自社開発でカバーすることによって、低価格のハードウエアの利用やハードウエアの利用率向上、そして運用の効率化を図っています。
その他の特徴については省略しますが、グーグル自身が自前でコンピューティング技術を劇的に進化させ、そして、次の世代においても覇権を握ろうとしています。日経コンピュータの特集「Google」も読み応えがあります。改めてGoogleの強さを感じたところです。