「霞が関クラウド(仮称)構想の具体化に向けた政府情報システム整備のグランドデザイン
総務省は7月17日、「政府情報システムの整備の在り方に関する研究会(第3回)」において、「政府情報システム整備のグランドデザイン骨子案(事務局)」を公表しました。
あるべき将来像としては以下のとおり位置づけています。
- 政府情報システムを統合・集約化する基盤として、「政府共通プラットフォーム」を整備。
- バックオフィス連携を実現し、行政内部の情報の利活用・共用を促進するため、「政府共通プラットフォーム」に、各情報システムが保有する情報の連携を図る基盤としての機能を整備。
また、政府共通プラットフォームの機能・役割としては、
政府情報システムの統合・集約化の基盤
(1)システムの開発、運用管理の効率化
(2)安全性・信頼性の向上
(3)柔軟かつ迅速なシステム構築ニーズへの対応
各情報システムが保有する情報連携の基盤
(1)BPR(業務見直し)の促進
(2)国民等利用者の利便性向上
をあげています。
政府共通プラットフォーム整備の進め方では、共同利用システム基盤の発展的な拡充をし、平成24年度からの段階的運用を目指すためには、平成22年度に要求仕様を整理し、平成23年度から設計・開発に着手することが必要であるとしています。
また、整備・運用に関する検討課題や方向性として、政府情報システムの統合・集約化においては、統合・集約化の対象となるシステム、統合・集約化レベル、そして提供する共通機能。また、各情報システムが保有する情報(データ)連携においては、対象とする業務・システム、業務見直し(BPR)、データ連携機能の実装方法等をあげています。
そして、最後の章では、政府共通プラットフォームの管理運用は公的な主体が実施することが適当であるとし、運用管理主体の在るべき姿を検討していく必要があるとしています。最後に、具体的な手順やスケジュールについて検討していくことが必要であることが書かれています。
「霞が関クラウド」の実現においては、検討すべき項目の整理や具体的な手順やスケジュール、そして運用主体のあり方など様々な議論が必要となってきています。政策の中において2015年には「霞が関クラウド」を実現を目指すとしており、今後どのような手順で具体的な検討が進められていくのか注目されるところです。