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Gmailは果たして企業に普及するのだろうか?

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既にご存知の方も多いと思いますが、2月24日にGmailの大規模障害がおきました。これまでの障害とは大きく異なり、2時間半にわたってGmailが利用できない事態となりました。

グーグルの公式発表によると、この障害によって世界中のGmail、そして有料サービスも含むすべてのGoogle Appsの利用ユーザがGmailを利用できなくなったようです。 

この障害が発生した理由は、欧州のデータセンターで定期メンテナンスをしてい際に、新基盤ソフトウエアの障害を対策する機能自体に予期せぬ障害が発生し、さらにはGmailの未知のバクを健在化させることになりました。そして、予期せぬ過負荷が同時多発的に発生し、Gmailが利用できない状態になったということです。

2008年は少なくとも4件の大規模障害がおき、2009年1月にも障害が起きているようです。頻繁に発生するこれらの障害は、企業がGmailそしてGoogle Appsを導入する際の大きな不安材料の一つになっています。 

グーグルはこの大規模な障害発生後に有料サービスの「Google Apps Premiere Edition」の利用ユーザに対して15日の無料期間を提供することを決定しています。GmailのSLA(サービス稼動保障率)では、99.9%を保障していますが、今回の大規模故障により、99.63%の月間稼働率となっています。(2月はその他に大きな大規模障害は発生していたないため)。これまでのSLAの規約の中では、月間の稼働率が95%を下回ったのみ、15日間の無料サービスが提供されることになっていましたが、今回発生した障害の規模を考慮しグーグル側が誠意をしめした形になります。

不幸中の幸いにも「Google Gear」をブラウザにインストールしておけば、メールの送受信はできませんが、その他はオフラインでも作業することができます。Gmailの障害やネットワークにつながらないといった状況下において改めて「Google Gear」の有効性が浮き彫りになった形になったのではないでしょうか。 

また、グーグルは今回の障害を受け、2月25日、Gmail、Google Calendar、Google Talk、Google Docs、Google Sites、そして、企業向けGoogle VideoなどGoogle Appsのサービス稼動状況が確認できる「Google Apps Status Dashboard」を提供しています。各企業の情報システム担当者にとっては、稼働状況が見ることができれば、社内周知などの対策も打ちやすくなるでしょう。

グーグルは今回の大規模故障の教訓により、さらなる信頼性向上に向けた対応をしてくるでしょう。Gmailの利便性は既に利用者側から認知され評価も高い状況です。あとは、サービスの信頼性が向上されれ、セキュリティの高さが認知されるようになれば、景気が低迷し、ITへの投資が難しい中、Gmail、そしてGoogle Appsへの期待度はこれからも高まっていくことになるのではないかと考えています。 

企業にGoogle Appsが本格的に普及するのかしないのか、電子メールをクラウド化するのかしないのか、2009年の年は、今後を大きく左右する重要な年になるかもしれません。

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