景気の低迷期は事業の転換期
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IT企業の経営幹部の方が、景気の低迷により、新規のIT投資を凍結するケースも出てきていること等を例にあげ、「景気が低迷している今だからこそ、ITを経営に活かし、事業の転換をはかる絶好の機会である」と異口同音に発言しているケースをよく目にします。
パナソニック(旧松下電器産業)を創業した松下幸之助は「好況よし、不況さらによし」という言葉を残しています。経済危機の渦中にいるからこそ、新たな製品や技術を生み出す好機だととらえることができるでしょう。米グーグルが1998年に創業したのも、日本やアジア等がちょうど金融危機に陥っていたときです。
オーストリアの経済学者シュンペーターは、非効率な古いものは効率的な新しいものによって駆逐されていくことで経済発展するという「創造的破壊」の考え方を唱えていますが、例えば、クラウドコンピューティングは、産業全体をを破壊する可能性のある技術であり、概念であると考えることができるのではないでしょうか。景気が低迷する時期は、まさに事業の転換期になります。金融神話が崩壊するなど、これまでの価値観が崩れるときこそ、挑戦するハードルは低くなると思います。創造的破壊をすることによって、企業活動における新しい価値を生み出す新陳代謝のプロセスが必要となってくるのではないかと感じているところです。
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