NGNとユーザ視点(3) SaaSとNGNと新しいビジネス
2-2. 【テーマ2】SaaS over NGNが中小企業のIT化の鍵に
中小企業においては、SaaSとNGNを自社だけが導入するだけはその効果の多くは期待することはむずかしいでしょう。中小企業がSaaSやNGNを導入して生産性を高めていくためには、取引先も同様の環境を構築し、企業間同士で電子取引等、相互に連携できる仕組みが必要となってくることが考えられます。
ここで、総務省の「ユビキタス特区」における企業ディレクトリの取り組みの概要を紹介します。中小企業向けのSaaSプラットフォーム上に電話番号や企業名などのデータベースを構築し、財務会計等のアプリケーションと連携させるものです。本事業においては、NGNの回線識別認証を採用し、中小企業はセキュアにデータベースにアクセスし、連携等ができる仕組みが用意されています。このように中小企業おけるSaaSとNGNの利用において、同じプラットフォームを利用し、企業間で連携する仕組みが用意できれば、効率的な企業間取引が可能となるかもしれません。NGNは中小企業の生産性向上を支援するサービスインフラとして期待されます。
2-3. 【テーマ3】NGNが新しいビジネスを作り出す
SaaSやNGNの普及に伴い、各企業によるパートナー連携が加速しています。NTTグループにおいては、「次世代サービス共創フォーラム」やSaaS事業者向けの共同基盤の開発を実施することも発表している。また、NECのNGNミドルウエアパートナープログラム等、NGNやSaaSを柱とした各社パートナー戦略の動きが活況を呈しています。
前回のブログでSDPの機能について紹介しましたが、SDP上で様々なアプリケーションができるようになれば、新しいビジネスが生まれることが期待されます。SDPそのものに関しては、投資規模も大きく投資余力のある大手企業が中心となりますが、SDP上で利用・開発できるアプリケーションについては、企業規模に関係なく、特に、独自の技術を持っている中小企業やベンチャー企業等が、NGNのインフラを活用し、サービスを提供できる機会の創出が期待されます。