クラウド普及の課題(7) クラウドと非クラウドとの分岐点
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クラウドサービスを導入すれば、自社で情報システムを保有し運用する形態(オンプレミス)場合と比べて、導入コストや運用コストが削減できると言われるケースが多いのですが、果たしてすべてそのケースがあてはまるのでしょうか?
利用ユーザ数が、大企業のように一定の数を超える場合は、自社で情報システムを保有し運用する形態にしたほうがコスト面で有利になることもあるでしょう。また、クラウドサービスと企業内の情報システムとの連携の構造が複雑になり、逆に運用コストがかかってしまうということもあるでしょう。
コスト面においては、情報システムの導入や運用を管理するITシステム担当者の人件費も考慮しなければなりません。クラウドサービスと企業内の情報システムと併用が続くようであれば、IT担当者の要員を減らして、他のコア業務等にシフトさせていくことはなかなか難しいかもしれません。おそらく将来的に考えても大企業の情報システムのすべてがクラウドサービスに移行していくことは考えにくいでしょう。
すべてをクラウドサービスにすると考えるのではなく、クラウドか自社運用かの分岐点を見極めながら導入の検討を進めていくことが重要になっていくでしょう。
一般的に考えると、クラウドサービスは中堅中小企業との親和性が高いと言えます。中堅中小企業がクラウドサービスをシンプルに利用する場合のほうが、初期コストや運用コスト、そして人件費を抑えながら、大企業並みのシステムを利用できるというメリットは大きいでしょう。
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