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巨人-ヤクルト戦から学ぶ組織のチーム力

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昨年の最下位チームのヤクルトにセリーグ優勝チームの巨人が3連敗を喫しました。オフにヤクルトからエース、グライシンガーと4番のラミレスを獲得し、優勝チームと最下位チームの差が広がると思われました。

ヤクルトは、機動力を中心にしたスモールベースボールを目指し、チーム一丸となって、ビッグベースボールをすすめる多国籍軍の巨人に対して戦う姿勢を見せてきました。

開幕前に、高田監督は「4番とエースを持っていかれ、何とも思わないわけがない。ひと泡もふた泡も吹かせたい」と話し、主将の宮本も「うちをなめたら、大変なことになると思い知らせたい」と打倒巨人に向けて強い気持ちをコメントとして出しています。

現場の選手においても同様の気持ちで、青木は「ミスをしてもほかの選手がカバーしているし、勢いを感じる。強いチームの典型」と話し、キャッチャーの福川は「グライシンガーを巨人にとられたから、絶対にやってやろうと皆が思っていた」とベテランから若手までチーム全体の一体感が感じることができます。

 

少しビジネスの社会と比較しながら考えていきたいと思います。

今、企業は年功序列から成果主義にシフトし、個人個人の高い結果が求められる時代になっています。しかしながら、近年、成果主義の弊害が問題視されるようになってきました。成果主義が個人主義になり、組織が機能しなくなりタコツボ現象も見られ、組織の閉塞感が一部で出てきました。

一方で組織のチーム力を重視する動きも出てきています。企業では社内旅行や運動会が増加傾向にあります。そして、コミュニケーションの場をつくる独身寮の復活とその必要性も高まってきています。さらに社内SNSやイントラブログ等柔らかな社内のつながりをつくる動きも見られます。

就職戦線は売り手市場になり、大量に新入社員が入社する時代になっています。そして、パートや派遣社員の社員への任用の動きも増えてきています。また、若者が3年で3分の1が会社を辞めると言われる昨今、社員の確保と社員の人材育成が経営の柱の一つになっています。

 

巨人-ヤクルト戦を見ていると、今の日本のビジネス社会の縮図を見たような気がしています。

開幕3連敗したとしても、優秀な選手を多く抱え底力のある巨人は、今年は遠からず優勝争いに加わってくるかもしれません。しかし、数年先、そして10年先を見たときにどうでしょうか?

強い企業、そして強い球団をつくっていくためには、まず生え抜きの現場の社員力(選手力)を高めていく必要があります。また、社員や選手のモチベーションが必要です。そして“劣等感が人を創る”というように逆境に強い力も大切でしょう。

今の巨人は優秀な選手をかき集める選手バブルの状況であり、選手バブル崩壊の予感もしています。この状況は、日本の球界(おおげさに言うと景気後退に進もうとしている日本経済)にとって決して良い状態ではないでしょう。

強い企業や球団を目指していくためには、バブル期においても堅実な経営、中長期的なビジョン、そして現場社員(選手)の力と気持ち(モチベーション)を大切にしながらバランスを考えた組織(チーム)設計をすることが大切なのではないかと感じているところです。

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