日本の成長力
日本のICT国際競争力や成長力についてよく議論されることがあります。2月12日、総務省のICT成長力懇談会(第1回)が開催され、日本のICT戦略と諸外国のICT戦略を整理し、日本の「成長力」の現状分析と課題をあげています。
日本の成長における現状の課題認識として
- 日本の国際的な存在感が著しく低下している
- 地域格差が拡大しつつある
そして、日本の成長力が低下する中において、ICT産業は、他の産業と比較して経済成長への寄与度が高く、またICTをツールとして有効に利活用することにより、地域が抱える様々な課題を解決する潜在力を有するものであるとしています。またこのような現状を踏まえて、成長力強化について、ICT政策の観点から総合的な戦略を構築することにより、一定の貢献が可能ではないかと提言しています。
そのICT政策とは、特に「ユビキタスネットワーク」の活用を柱とすることが総合的な政策を実施していく上で有効であるとしています。
また、未来社会像の具体化として、
- 「デジタル文明」としての新コンセプト提示
- 明確な未来社会像の共有
- 「ユビキタスネット社会」の具体化
- 産業・生活イメージの提示
これらの提言はどちらかというと国のICT政策に関わるものが多くを占めているようですが、特に消費者向けのウェブサービスを見た場合は、政府の施策の関与や大企業が提供しているサービスよりもmixiやニコニコ動画に代表されるベンチャー企業のサービス多く占めているのが実情かと思います。
日本のICT成長力のためには、日本のICT政策、民間企業の力でガラパゴス現象と言われないようなICT国際競争力をつけることがもちろん大切です。さらに、Web2.0に代表される国民一人一人の情報発信力と集合知の感覚を身につけていくこと、そしてそのスピード感のある力を支援する法制度の整備等が、日本の成長力の源泉になるのではないかと感じています。