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Google成長の鍵を握るグーグラー

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皆さん“グーグラー”という言葉を聞いたことがありますでしょうか? 似たような言葉に、“ぐぐる(ググる)”という言葉があり、Yahoo!辞書によると「グーグル」を略した「ググ」に名詞を動詞化する接尾語「る」をつけたものとも、「グーグルで検索する」を略したともいわれています。そして、Googleに頻繁にアクセスし使いこなす人を“ぐぐらー(ググらー)と呼ぶこともできるでしょう。

 
そして、「グーグル化と人間グーグル」の中でもご紹介させていただきましたが、勝間和代(著)の「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」に書かれているようにはグーグルを使いこなすことによって、知的生産術を身につける“グーグル化”という言葉にも注目が集まっています。

 
さらに、“人間グーグル”というキーワードをこれまでのブログの中でご紹介させていただように、ネットの社会というよりはむしろリアルの世界において、相手から相談や質問を受けた時に、付加価値を付けて情報を提供してあげる前向きな人と自分なりに定義しています。

 
では、“グーグラー”とはどういう意味なのでしょうか?

28日のフジテレビの「とくダネ!」の特集に「ネット界の革命児“Google”の秘密」のタイトルで特集が組まれていました。実際の本社を取材し、その模様が放送されていました。放送の中で“グーグラー”という言葉が何度か登場しました。

 
少しポイントを整理してみましょう。

世界の検索市場のシの66%のシェア<米・Hitwiseの調査(2007121ヶ月分)>にも上り、従業員は15千人で世界40カ国にオフィスを構える世界をリードするIT企業に成長をしています。

 
グーグル本社では8千人の社員が働き、メインロビーには、“グーグラー”の写真の紹介や様々な国の人が名前を書いたり、アイデアを書いたりする巨大なホワイトボードが飾られています。そして本社の中はたくさんのFUN(楽しさ)で埋め尽くされ、恐竜のオブジェがあり、オフィスエリアには昼寝マシーン、仕事中にゲームに興じ、デスクは個人の趣味嗜好にあわせて多種多様のグッズ等が飾られています。

 
さらに、オフィスエリアの中にはたくさんのホワイトボードが置かれており、何か思いついたらすぐに書いて、誰かが書き足して情報を共有する、つまりアイデアを共有する文化ができています。

 
グーグラー”の能力を最大限に生かすために、17のレストランで各国の料理を用意し、無料で食べることができます。また、食べる過ぎることがないようにメニューが、緑(いくら食べても大丈夫)、黄色(ある程度抑えて食べるもの)、そして赤色(少ない量で食べるべき)で健康バランスの気を配っています。

 
そして、フィットネスジム、移動式理髪店、ランドルール、ドライ・クリーニング、マッサージルーム、車両整備等の設備が用意され、サービスがすべて無料となっています。

 
Google
モバイルチームで働く日本人の紹介もされていました。124日、グーグルはモバイルビジネス分野においてドコモと正式提携をしたのは記憶に新しいところですが、Googleのモバイルチームは、日本のモバイルビジネスを参考にしながら、提携企業と開発を進め、検索やマップメールニュースなど様々なサービスをモバイルで提供することを考えています。

 
その他、20%ルールで自分の研究に費やす時間をもつことや、“TGIF”、つまり “Thank God ,It’s Friday”、“Thank Google ,It’s Friday”という言葉にあるように、金曜日になると食堂に集まって、物理的に顔を合わせて、新しい人を紹介したり情報を共有したりするカルチャーを創っています。

 
以前のブログの中で「グーグラーの世界研修旅行の意味とは?」の記事を書かせていただきましたが、“グーグラー”と呼ばれるグーグルの若手幹部18人が昨年夏、研修ツアーで世界各国を回りました。目的の一つに、ネットとは全く関係なく暮らしている数十億人の人たちの現状、そして世界各国でグーグルがどう評価されているかを知ることです。

 
グーグラー”は世界研修旅行によって、グーグルの立ち位置を知りグローバル感覚を身につけ、そして残った者たちが、将来のグーグルのリーダに育っていくことを期待されているのです。

 
そして“グーグラー”が、グーグルを去ったとしても、グーグルにとってはメリットのあることと捉えて、将来グーグルが買収できる選択肢が増えるという発想をもっています。

 
グーグラー”とは、グーグルで働くグーグルカルチャーを持った社員を指しています。グーグルで働くことを目指して、毎月10万通の履歴書が届くといううわさもあるように、“グーグラー”になることは相当難関なことはお分かりでしょう。私たちはインターネットを利用するにあたって、Googleなしでは考えられない時代であり、グーグルの成長には“グーグラー”の活躍が必要不可欠なのです。


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