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グーグラーの世界研修旅行の意味とは?

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先日、MBA取得で米国に留学している会社の同僚からメールがありました。彼は、2ヶ月間の夏休みを利用して、世界をあちこち回ったことによって“世界観が変わった”という趣旨のメッセージを伝えてきました。

 
話は変わりますが、Newsweek 2007.11.21に「特集グーグルの危機!グーグルが王座を追われる日」という特集が組まれており、大変興味深く読ませていただきました。話のポイントは、グーグルを追いかけるために「第3世代エンジン」の開発競争が激化しており、グーグルの王座も決して安泰ではないという趣旨のものです。

 
最後の章でおもしろいテーマがありました。「グーグラーの世界研修旅行」という内容で、グーグルの若手幹部18人が今年夏、研修ツアーで世界各国を回りました。目的の一つに、ネットとは全く関係なく暮らしている数十億人の人たちの現状、そして世界各国でグーグルがどう評価されているかということを知ることです。

 
中国では、国産の検索エンジンである百度のほうがグーグルより優れていると言われ、インドではグーグルの検索よりも、ソーシャルネットワークサイトの「オーカネット」のほうが人気が高いというのが現状です。

 
若手幹部のグーグルは世界研修旅行によって、グーグルの立ち位置を知りグローバル感覚を身につけ、そして残った者たちが、将来のグーグルとリーダに育っていくことを期待されているのです。

 
そして彼らが、仮にやめたとしてもグーグルにとってはメリットのあることで、将来買収できる選択肢が増えるという前向きな発想をもっています。

 
企業がこれほどの若手幹部を世界研修旅行に送り込むということは、日本ではあまり考えられません。世界に展開するグローバル企業であり、かつインターネットの世界で活躍する企業だからこそ、リアルの世界に目を向け、現場に足を踏み込むことでグーグルが進むべき“世界観”を身に着けていく必要がきっとあるのでしょう。

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