コンテンツビジネスと有害サイト対策
ブログやSNSそしてYouTubeやニコニコ動画等の動画投稿共有等CGM(Consumer
Generated Media)のコンテンツ全体への比率が高くなってきました。携帯会社Nokiaの17ヶ国のトレンドセンターの調査によると、2012年のエンターテイメント市場のコンテンツの25%を占めると予測しています(関連記事 2008年のIT市場そして2012のIT市場)。
今後もCGMが増えてくれば、様々なビジネスチャンスが生まれるとともに、様々なリスクが生まれてくると予想されます。
「インターネットは怖くなってきている」などで紹介させていただきましがが、ユーザ側はインターネットに対して年々怖さを感じてきており、2008年以降も新たなセキュリティの脅威等が私たちに恐怖心を与えることが予想されます。
11月26日、総務省は「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の開催することを発表し、インターネット上の違法・有害情報に対する総合的な対応について検討することとしています。
12月6日、総務省は「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が最終報告を発表しました。いわゆる情報通信法(仮称)の最終とりまとめになります。この中で、ブログやSNS等が対象になると思われる「公然通信」に対して研究会は、“ネット上でのコンテンツが守るべき最低限の配慮事項を、刑罰を伴わない形で整備”することを提言しています。
そして12月10日、総務省は、「青少年が使用する携帯電話・PHSにおける有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の導入促進に関する携帯電話事業者等への要請」を発表し、青少年が使用する携帯電話・PHSにおける有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の導入促進を図るため、携帯電話・PHS事業者等に対して取り組みを強化するよう要請しました。
総務省からの要請を受け、各携帯電話・PHS事業者4社は、「有害サイト」のアクセスを制限するフィルタリングサービスについて、未成年者は原則加入とする方針を発表しました。(ITmedia 関連記事)
一方、12月26日、携帯電話メーカーやコンテンツプロバイダらが参加するMCF(モバイル・コンテンツ・フォーラム)が、「健全な携帯電話向けサイト」を認定する第三者機関の設立に向けた準備委員会を発足しました。サイトの健全性を第三者機関で認定し、有用なサイトをしゃ断しないフィルタリングサービスの構築につなげるとともに、業界の自助努力もアピールする狙いです(ITmedia 関連記事)。
これからの有害サイト(特に携帯電話)への規制の動きは、日本は国際的に遅れていると言われているコンテンツビジネスに歯止めをかけてしまうのではないかという懸念が起きています。特に若者の間で人気の“mixi”や“モバゲータウン”等は規制の対象になってしまうかもしれません。
7月11日、経済産業省は「コンテンツグローバル戦略中間取りまとめ」を発表しました。日本のコンテンツ産業が国際競争力を強化し、グローバル化を図っていくための取組や政策について検討、審議したものを公表しています。また、日本のコンテンツ立国を目指し、9月20日の東京ゲームショウを皮切りに「JAPAN国際コンテンツフェスティバル」を開催しています(関連記事 日本のICT国際競争力」。
これから日本のICT国際競争力の強化、つまり国際的なコンテンツ立国を目指すことが日本の産業育成の一つの課題となっています。またブログやSNSそして動画投稿共有サイト等のWeb2.0の潮流により、CGMのコンテンツ量は引き続き拡大していくことが予想されます。当然、増え続けるコンテンツに対して著作権や有害規制もかけていかなければならないでしょう。
これからの一連の動きは、コンテンツビジネス拡大という名目の“アクセル”と有害情報に歯止めをかける“ブレーキ”と高度なドライブテクニックが要求される時代になっていきているのかもしれません。