インターネットに関するネガティブな意見が増えてきた
平成7年に情報通信会社に入社した際に、初めてインターネットを目にしました。インターネットでアメリカの大統領官邸のサイトにアクセスした際には、感動を覚えました。
それから十数年、インターネットの人口の増加は右肩上がりで推移し、当時言われたFTTH(Fiber To The Home)は、既に現実のものとなり、下方修正でも2010年には、2,000万の加入が見込まれています。
これからも日本のインターネット人口は増え続け、人々の生活に恩恵を与えてくれるのでしょうか? しかし、インターネット利用者が増え続ければ当然マイナスの部分も増えてくるでしょう。今回は、少しインターネットに関してネガティブな視点で整理してみたいと思います。
10月24日、米国の非営利団体は、ティーンエージャーとその親のインターネット利用に関する意識調査についての報告書をまとめました(関連資料)。報告書によると、ネットは子供にとって有益とする親は、2004年の67%から2006年には59%に減少しています。有害サイトの影響等、保護者にとってインターネットが必ずしも有益ではないという意識が高まってきているようです。
「ネット社会の近未来と仮想アイデンティティ」の記事でも紹介しましたが、10月17日、電通総研が「「インターネットと未来に関する調査」-成熟した情報社会の"質"を求めて-(PDF)」研究レポートを発表しました。調査の中の上位に「機会の平等は拡大するが、情報化の恩恵を被る人と格差が拡大する(34.1%)」とあるように、ネット社会が普及すれば、格差社会を助長するという意識が高まってきています。
10月25日、内閣府は「有害情報に関する特別世論調査」を発表し、90.9%の人が「規制すべき」だと答えています。多くの人は現状有害情報の氾濫に不満を持ち、規制強化を求めていることがわかります。
10月17日、株式会社ふみコミュニケーションズは、「(学校裏サイト)に関する調査レポート」を発表しました。「学校裏サイト」の良いところは、「情報交換の場(28.4%)」であるという一方で、悪いところは、「悪口・中傷・根拠のない噂」が40.4%と非常に高い結果が出ています。インターネットが、保護者にとってコントロールのしにくい「学校裏サイト」のネガティブな裏の社会を作り出してしまっているようです。