NOVAから学ぶネットワーク・コミュニケーション社会の進化
会社更生法を適用した「NOVA」は、皆さん既にご存知のように多くの負債を抱え、そして授業を受けられない生徒、そして給与を受け取れない外国人教師等様々な社会問題を引き起こしています。
私が、十数年前だった学生時代はESSという英語関係のサークルに所属していました。そのため、社会人になったら英語を使って仕事をしたいという思いもあり、「NOVA」も希望企業の一つとして就職活動をしていました(残念ながら、小論文で落ちましたが・・・)。
「NOVA」の就職説明会に参加した時に非常に驚いたのは、英会話教室である「NOVA」が当時まだ聞きなれないISDN技術を盛んにPRしており、ISDN回線を普及させ「お茶の間留学」をネットで実現していこうとう姿勢でした。
その後「NOVA」には就職できずに、情報通信の世界に足を踏み込んだのですが、「NOVA」はISDN技術を活用し、ネットを使った「お茶の間留学」のビジネスを拡大している姿に情報通信で働いている立場としても少し感心させられた記憶があります。
そして、今やADSLや光ファイバー等のネットを使ったeラーニングやテレビ電話等を使ったインタラクティブなコミュニケーションの世界が当たり前の世界になっています。CMでも積極的にネットの「お茶の間留学」のPRを展開した「NOVA」がテレビ電話等のネットワークを使って外国人教師とコミュニケーションをとりながら学んでいく環境を作った先駆者的な立場ではなかったのではないかと考えています。
しかしながら、「NOVA」は「駅前留学」の店舗数の急激な拡大路線にも舵を取り、ネットワークの社会とリアルの社会の双方ともに注力しようとしましたが、うまくバランスがとれずに、それが仇となって現在に至っているような気がしています。
Web2.0に代表されるように、消費者が情報を発信し、当たり前のようにネットワークを使える時代になりました。そしてスカイプやテレビ電話等で安価にビジュアルコミュニケーションができる時代になった今、「NOVA」は時代の役割の一つを終えてしまったのかもしれません。