mixiは社会インフラとして成長するのか?それとも衰退する運命なのか?
mixiが10月にサイトをリニューアルしましたが、いくつか記事やブログ等を読むとあまり評判は芳しくないようです。動画や画像コンテンツや検索性やユーザインターフェイスそしてユーザ招待機能等を充実させたように見えますが、このサイトリニューアルにはmixiの焦りが少し見え隠れしているように感じています。今後のmixiが成長していくのか、それとも衰退していくのか、これを機会少し考察してみたいと思います。
ネットレイティングスのオンライン広告統計レポート「アドレレバンス」の2007年8月分データによると、特にmixiが上位媒体と比べてインプレッションの減少幅が目立っています(関連記事)。減少幅が特に目立っているのは、アクセス数やサイトの魅力が低下する等の何らかの影響があったのではないかと推測されます。
同じくネットレイティングスが9月21日発表した8月度のインターネット利用動向調査の結果によると、1人当たりの平均利用時間はニコニコ動画が3時間14分とmixiの2時間52分を上回っています。また、mixiが「ないと困る」もわずか8%となっています(関連記事)。mixiが10月のサイトリニューアルの際に動画コンテンツの充実を目指したのも動画を視聴者参加型で楽しむスタイルに価値観が変化してきているという危機感を感じているとも言えるのでしょう。
今年6月、サントリー次世代研究所は、首都圏・近畿圏・その他エリアに住む18~25歳の大学生600人を対象に、メディアライフスタイルについてネット調査し、その結果を公表しました。SNSについては、「社会人になった時に利用していると思うメディア情報」では全体の33.3%どまりと、社会人になったらSNS=mixiを卒業するという学生が多いようです(関連記事)。mixiのユーザ属性は20~24歳が33.8%(2007年3月31日時点)を考えると、仮にアカウントが残っていたとしても全体の利用頻度の低下に大きな影響を与える可能性も否定はできないでしょう。
7月に「mixi(ミクシィ)ユーザは、3,000万人を越えて社会インフラになるのか?」というタイトルの記事を書かせていただきましたが、日経コミュニケーション(2007.7.1)に掲載されたミクシィの笠原社長のインタビューによると、「ユーザ数は、2,000万人から3,000万人まで伸びていくと見ている。」と述べています。mixiのユーザ属性が20~24歳が33.8%と高い比率がそのまま30代、40代にそのままシフトしていけばmixiのユーザ数が3,000万規模になることも考えられなくはありません。
ただ、ニコニコ動画をはじめ新しい生活スタイルを提案するWeb2.0的なツールが次々と登場している中で、社会インフラとしての地位を確保するには、次第にハードルが高くなってきていると言えるでしょう。mixiはこのまま成長路線を進むのか、衰退の一途を辿っていくのか、今が正念場なのかもしれません。