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売り手市場と買い手市場のどちらが学生にとって幸せなのか?

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今空前の売り手市場で、企業は優秀な学生を囲い込むために、早めに採用活動やインターンで学生を囲い囲み、そして内定者向けのSNSを駆使するという状況です。私が昨年面接した際、予想以上に面接辞退や多くの学生が他の企業に流れていったのはかなり驚きでした。

 
私が入社したのは、平成7年度でバブルが崩壊して数年立った時期で、最悪ではありませんが、下降線をたどっていた時期です。どちらかというと買い手市場で内定をもらうというのもそう容易ではありませんでした。そのため就職活動では、東京から地元まで目いっぱいで数十社を回った記憶があります。

 
売り手市場の今、学生は企業の選択幅が広がり、以前と比べれば自分の希望する企業に入社することができるようになりました。しかし、一方で「仕事にストレスを感じる“人間関係”」の記事でも書きましたが、若手社員の多くがストレスを抱え、そして入社3年で3分の1が会社を辞めるという現象が起きてしまいました。

 
最近どちらの時代の学生が幸せなのだろうか?と思います。買い手市場の時代に入社した学生は、希望の企業に入社できなかった悔しさをもち、後悔が残りモチベーションを維持するのに苦労しているのかもしれません。一方、売り手市場の社員は、楽に入社できたとしても、入社後のギャップに苦労をしているのかもしれません。

 
売り手市場において企業は、優秀な学生を囲い込むため、どうしても良い情報を中心に伝えてくることになるでしょう。しかし、「就職戦線!内々定時期の企業と学生のWeb2.0活用を考える」でも書いたように、例えばブログの評判検索等でネガティブチェックをしていくことが大切です。

 
どちらの時代に生まれたのが幸せだったのかというのは、最終的に個人個人にあるのかもしれません。ただ、言えることは、その時代に生まれたからには、与えられた環境を素直に受け止め、与えられた環境の中で自分を生かしていくということを考え行動をしていくことが大切です。売り手市場に生まれても買い手市場に生まれても、充実した仕事ができる状態にしていくというのは自分次第であることには変わりはないでしょう。


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