iPhoneで実現するユビキタス社会を考える
7月12日、ユビキタスワーキングフォーラムシンポジウムの「電子タグ高度利活用に関する研究発表会」に出席してきました。まだまだプライバシー保護等の技術的な問題はいくつかありますが、将来的にはタグに紐付く情報の高度化が図られることにより、様々な分野で電子タグの高度利活用が可能になると考えています。(※ICタグやRFID等と言われることもありますが、総務省が電子タグと言っていますので、ここでは電子タグと呼びます)
平成19年7月、政府のIT戦略本部が「重点計画 2007」(案)を発表しました。その中の柱の一つに「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・デバイドのないインフラ整備―ユビキタス化―の推進があります。ユビキタス化の推進のためには、安全やユビキタス端末や電子タグの高度な利用・活用等の実現が必要不可欠であると述べられています。
安全なユビキタス端末とは何を指しているのでしょうか? 携帯電話、軽量PCそしてPDAさらにはニンテンドーDS等様々な端末が想定できます。多彩なインターフェイスと高齢者や児童にもやさしい全面タッチパネルということを考えると、iPhoneは安全なユビキタス端末の中でも非常に完成度の高い端末であると考えることができます。
また、電子タグの高度な利用・活用等では、人や物にタグを持たせてリーダに検知させることが一般的ですが、iPhoneが電子タグのリーダとして考えてみるとどうでしょうか?現在でもPDAが電子タグのリーダとして活用している事例があるように、電子タグのリーダ機能を兼ね備えたユビキタス端末を持ち歩けるようになれば、iPhoneを持って町中や施設の様々な情報を拾うことも将来的には夢ではなくなるかもしれません。iPhoneは多彩やインターフェイスや全面タッチパネルのほかに、携帯電話としても利用でき、かつインターネット接続も可能です。そのため、教育や医療・介護分そして観光分野等様々なインタラクティブな活用シーンが創造できると考えています。
iPhoneが日本に普及するには、日本とは異なるGSMの通信規格により、早くても発売は2008年になると言われています。この間に国内メーカからiPhoneに対抗するユビキタス端末が発売されるかもしれません。ユビキタス端末が充実するようになれば、電子タグやネットワークと連携し、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるデジタル・デバイドのないユビキタス社会が実現するのかもしれません。