竹中平蔵氏「構造改革 激動の5年半を振り返って」を傍聴して@イノベーションサミット2007
今日、日経ビジネス主催 イノベーションサミット2007において、竹中平蔵氏の「構造改革 激動の5年半を振り返って」を傍聴してきました。
竹中氏は、ご存知のように2001年4月の小泉政権発足と同時に、経済財政担当大臣として、構造改革の旗振り役を務め、そして金融担当大臣、総務大臣等を歴任してきました。その間、金融機関の不良債権処理や道路公団民営化そして郵政民営化等、抵抗勢力の圧力や様々なバッシングに会いながらも改革を推し進めてきました。
竹中氏は、政治の世界から政策研究者の立場に戻り、研究者の立場として失言もあまり気にしないと言いつつ、小泉政権の当時の裏話も交えながら激動の5年半をわかりやすく説明していただきました。
その中で特に小泉前首相のリーダとしてのすごさをいくつか述べられていました。私なりに解釈し、3つポイントでまとめてみたいと思います。
ポイント1:強いパッションを持ち続けること
小泉前首相と竹中氏は改革を断行していく中で、様々な抵抗勢力の圧力や様々なバッシングにも会いました。しかし小泉前首相は強いパッションを常に持ち続け、改革を断行し続けました。その強い意志と精神力そして実行力が国民の高い支持率を得ることができたのでしょう。
ポイント2:明確なアジェンダともつこと
小泉政権にはいくつかの国民に明確にアピールできるアジェンダを掲げました。例えば「不良債権比率3%台を目指す」や「郵政民営化を断行する」などです。明確なアジェンダは、実施後の効果も明確にイメージさせることができ、国民への理解を浸透させていくことができたと考えています。
ポイント2:戦略家であること(戦略は細部に宿る)
竹中氏によると、小泉首相は驚くほど戦略家ということです。例えば郵政民営化という目標に向けて、民営化のプランを掲げてから、民営化が実現されるまでのロードマップをしっかりと描き、タイミングを見計らって細部に渡り、的確に指示をしていたようです。竹中氏は、「戦略は細部に宿る」という言葉をたびたび口にしていました。
政治の世界とビジネスの世界は全く異なりますが、今回の竹中氏の講演からは、ビジネスをすすめていくにあたってのヒントをいくつか得ることができたのではないかと感じた1日でした。