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食肉偽装事件に思う食肉トレーサビリティのあり方

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626日、片貝システム研究所代表の片貝 孝夫氏がナビゲーターをされている第六回「Web2.0環境のビジネスモデル研究会」に参加してきました。今回のテーマは、「ICタグの現況とビジネスへの応用」で「ICタグを取り巻く状況と今後の動向」に関するお話を大日本印刷株式会社 ICタグ本部 副本部長 奥野泰史氏からお聞きし、その後「ICタグを利用した食品(豚肉)トレーサビリティシステムの事例紹介」のお話を聞きしました。食肉偽装が問題になっている中、今回の食肉トレーサビリティの話は非常に興味深く聞くことができました。

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今回の食肉偽装事件は企業の倫理が問われるとともに、消費者が口にする食品の安全性が改めて問われています。消費者が口にする食肉が、いつ・どこで・どのように生産・流通されたのか、生産地は仮にわかったとしても消費者にとってはその流通経路や生産過程の多くはわからないというのが現状です。今回の食肉の偽装により、消費者は食肉の安全性に対してさらに厳しい目を向けていくでしょう。

 
本研究会でお話を聞いた豚肉のトレーサビリティシステムは、豚の飼育の簡易記録帳システムで給餌記録やワクチン等の動物医薬品の投入記録もパソコンで記帳し管理をします。また、親子関係まで含めてICタグで管理をすることができます。

(実際は、豚等にICタグをつけて熱や水に影響しないでちゃんと機能させていくことはかなり難しいようです。)

 
食肉偽装事件をきっかけになり、対象の業界はイメージ的にはかなり大きな打撃になったと思います。マイナスのイメージを払拭し、業界全体が新しく変わっていくためには、業界全体として何らかの改善策を講じていかなければならないでしょう。その中で肉や加工食品のトレーサビリティシステムの導入も改善策の検討対象のひとつに入ってくるかもしれません。システム化されていれば、肉の飼育・出荷履歴も追跡もでき、肉を出荷するまでの工程の中で不正をシステム的にチェックすることもできるでしょう。


お話によると、食肉のトレーサビリティシステムを導入しているところは、食肉の生産・加工工程を「見える化」することによって、付加価値をつけ信頼性のある肉のブランド化に成功しているところも多いようです。システムを導入することにより、肉の単価のコストアップにつながりますが、消費者の信頼を回復していくためには、人×プロセス×テクノロジーの三位一体で業界の改善に取り組んでいく必要があるのかもしれません。


今回、本研究会のナビゲーターであり、片貝システム研究所の代表であり、
Biz/Browserのエバンジェリストでもある片貝様にご紹介いただき本研究会に参加させていただきました。多くの方と名刺交換や情報交換ができテーマも大変興味深いものでした。次回は、Web2.0の旬のキーワードを使ったものがテーマとなるようですので、時間が許せば是非次回も参加させていただきたいと思っています。どうもありがとうございました。


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