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ダブリンのデータセンターに火が入ったそうです。
ダブリンのデータセンターについては上の砂子さんのブログで存在を知りました。データセンターの常温稼動によるPUE向上は以前よりオルタナブロガーの中さんから教えていただいて、googleが実用化していること公表するより前からアンテナを向けていました。用語としては常温データセンターというより「チラーレス」が定着するんでしょうか。いずれにせよこんなに早く普及するとは思いませんでした。
早速、画像がないものかと思い検索してみたところ、海外のニュースでこのような記事を見つけました。
Microsoft’s new €388m centre in Dublin may lead to 35 jobs at firm
COMPUTER giant Microsoft has opened a €388 million centre in west Dublin which could ultimately lead to the creation of 35 positions at the firm.
コンピュータの巨人、マイクロソフトが3億8800万ユーロを投じたセンターが西ダブリンに登場した。最終的には35人の雇用を創出するだろう。
(中略)
However, the development, initially announced in November 2007, is expected to help to significantly advance the company’s already existing services in Ireland, with up to 35 people expected to be employed at the centre.
しかし、2007年11月に発表された(MSの)開発は、アイルランドの企業の既存のサービスをかなり進歩させると予想されます。データセンターへの最大35人の雇用と共に。
他のニュースでは当然のようにクラウド技術やグリーンITにフォーカスが当てられています。アイルランドの新聞記事だからこそ、アイルランドの経済にとってどうなのか、ということに焦点が当てられていますし、うまく翻訳できないので引用しませんでしたが、米マイクロソフトのシニアバイスプレジデント、ジャンフィリップ・クルトワによる「マイクロソフトがアイルランドと長いおつきあいができますように。」というようなの発言も紹介されていました。
こういった違う視点からの記事というのは読んでいて非常に勉強になります。たとえば環境系のメディアであれば、PUEについてフォーカスをあてるということがあるかもしれません。たとえば政府系のメディアであればデータセンターを二酸化炭素削減目標が「プラス」に設定されているアイスランドに置くことでCO2削減への取り組みを海外にアピールするなどの意見があるかもしれません。
しかしながら日本では主要な新聞は特に得意とする切り口というものがなく、比較して読んでもあまり気付きを得ることがありません。むしろ、ブログなどでは何誌かを比較して重複する部分を真実であると認定している方を見かけたことがあるほどです。反対にブログやtwitterでは同じニュースから多様な反応が生まれますし、各人の専門的な知識を付け加えた検証や感想が投稿されることでニュースに厚みが生まれています。
それはオルタナティブブログでも同じです。オルタナは広大なインターネットからすれば小さなコミュニティではありますが、それぞれ異なる道を歩んできた人々が意見を出すことでまさしく「オルタナティブ」な議論が生まれることがあります。おもしろいか、鋭いか、かっこいいか、そういったことを気にしていると素直な意見を言えません。ありがちでコンパクトにまとまった意見を言うよりも自分らしい意見を書くように心がけていきたいと思います。
ちなみにダブリンデータセンターの画像はこちらに掲載されていました。車がちっさ!!
http://www.datacenterknowledge.com/archives/2009/09/24/microsofts-chiller-less-data-center/
こちらの一覧(注意:テキストファイルやや重い)または検索サイトからGoogleを検索すると……
00-1A-11
Google Inc.
1600 Amphitheater Parkway
Mountain View CA 94043
UNITED STATES
という登録が見つかります。
探すきっかけはpublickeyのこちらの記事でした。
Amazon EC2は1日に5万ずつ新規インスタンスが起動されている、は本当か?
Amazon EC2は仮想化を前提としたシステムです。となると仮想サーバのMACアドレスはバーチャルなものが使用されるはず。もし上の記事で紹介されたように1日に万のオーダーでインスタンスが増えるとしたら、自社でcompany idを取得したとしても下位桁をランダムに生成して配布すると衝突してしまうかもしれません。全桁をランダムで生成すると衝突の恐れは減りますが、現実世界の機器のMACアドレスと衝突してしまうかもしれません。同じクラウドベンダーを利用していたとしても、相互に関係のない別のユーザの異なるシステム同士ならば衝突が起きても問題はなさそうですが、animotoのように1ユーザで3500インスタンスを一気に追加するということも考えられます。MACアドレス払い出しシステムのような仕組みがあるんでしょうか。このあたりAWSをレンタルしたことがないのでわかりません。
Microsoftのtechnetにはこんなページもあります。
仮想ネットワーク デバイスに静的 MAC アドレスの範囲を設定する方法
VMware、Microsoft、XenSource で予約されているアドレスとの競合を避けるため、以下のプレフィックスは使用しないこと。
予約先 プレフィックス VMware
00:05:69
00:0C:29
00:0C:14
00:50:56
Microsoft
00:03:FF
00:0D:3A
00:12:5A
00:15:5D
00:17:FA
00:1D:D8
00:50:F2
XenSource
00:16:3E
上の表にはVMware、Microsoft、XenSourceという仮想化の主要プレイヤーのMACアドレスのcompany idが紹介されています。確かにこれらのidはIEEEからも登録が確認できるました。ということは他のハードウェアメーカがこの番号を使うことはありません。仮想サーバが使用するMACアドレス用として取得されていると思われます。ただしgoogleについては自社データセンターで自社用に設計したハードウェアを調達したり、Google 検索アプライアンスを出していたりしますのでハードウェアにも使用しているかもしれません。なおIEEEに対して支払うMACアドレスの登録料はWikipediaによると1650米ドルとのことです。宣伝におもしろいかと思いきや審査があるとのことで製造力のない人は登録できないような気がします。
しかしAmazonらしき名前は見つかりません。XenSourceのMACアドレスをそのまま使っているんでしょうか。とすると、今のところXenSourceは約1600万のIDを使えるOUIのcompany idをひとつしか申請していません。もしAmazonもこのIDを使うとしたら、世界中の色々なところに同じMACアドレスを持つサーバがあることになり、なんとなく気持ち悪いように思います。もちろん今でもMACアドレスが自由に設定できる機器が多くある中でさしたる問題が起こっていないことから、このことが問題であるというようには感じません。ただなんとなく気持ち悪いです。
先月のクラウドコンピューティングにカオスが必要な理由というエントリを書きましたが、物理デバイスに強く依存する性質のある仕組みは仮想化の際に特別な考慮が必要になりやすいように思います。ずいぶん前、Pentium3の時代にはCPUのPSN(Processor Serial Number)というのが存在しました。Pentium4になって消滅し、おそらくCore系にはうけつがれていないと思われます。あれも存続してたら仮想化ベンダーが一工夫して実現しなくてはならなかったんだろうか、と思いました。
追記
もう一社、買収劇でニュースに名をとどろかせたVirtual Iron Softwareの名前も見つけることができました。
00-21-F6
Virtual iron Software
900 Chelmsford Street
Lowell MA 01851
UNITED STATES
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