「TechOps(テックオプス)」という言葉を知っていますか?

おそらく、耳馴染みがない言葉じゃないかと思います。開発と運用の融合を目指したDevOps(デブオプス)なら知っている、という人はいるでしょう。

(参考:エンタープライズの世界にも「DevOps」は浸透するのか)
「DevOpsは、開発と運用を密に連携させるための手法や概念などを総称したもの。例えば、ソフトウェアの新機能や改修などの開発からリリースまでの期間を大幅に短縮し、サイクルを早く回すことで、ソフトウェア品質を向上させる、あるいは、エンドユーザーに対するサービスを強化するといった効果が挙げられる。」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1304/11/news012.html

TechOpsとはTechnical Operationsを省略した用語であり、日本語で表現するなら、技術運用と表現できるでしょう。これはIT部門の主要業務であって、ユーザーの依頼を受けて、システムリソースの割り当て変更や業務サポート、加えて業務システム自体の維持管理を含みます。ITILでいうなら、Service Operation(サービスオペレーション)中に行うアプリ・インフラ管理に係るプロセス群のあたりの話です。

TechOpsがうまくできていない組織は、トラブル発生時の損失が大きくなります。たとえば、ブラックベリーで有名なRIM社(現ブラックベリー社)は2011年10月にコアスイッチ障害によって世界中のユーザのメッセージングサービスが数日間使えなくなりました。その数週間後、バンクオブアメリカのウェブサイトは、世界的なDDoS攻撃を受けて全面ダウンしました。

一般論として、業種・業界に依らず、多くの組織でイベント管理と問題管理に改善の余地があります。特段の管理ルールも定められず、アドホックで属人的な対応に留まっているところが多数を占めているのが現状であり、昨今のITのトレンドを踏まえると、以下に挙げる観点は特に気を付けなければなりません。

  1. 仮想化拡大(Virtualization Expansion)
    ・仮想化の乱用による仮想サーバの無秩序な増大
    ・ライセンスやコンプライアンスへの注意不足によるトラブル
  2. パッチ管理(Patch Management)
    ・ネットワーク環境の複雑性増大によってHW、OS、アプリに対するパッチ適用頻度も増大
  3. クラウドコンピューティング(Cloud Computing)
    ・情報セキュリティとコンプライアンスへの取り組み
    ・キャパシティとエンドユーザーにフォーカスしたイベント管理に対する新しい取り組み
    ・リソース使用率の監視と課金ルールの構築
  4. データセンター内の密度(Datacenter Density)
    ・IT担当者とファシリティ担当者の十分ではないやりとり
    ・電力消費の増大と発熱量管理に係る手間の増大
    ・CPU利用増にともなうキャパシティ管理の重要性増大
  5. ビッグデータ
    ・IT環境の拡散によるデバイスや構成アイテム増加に対する効果的な管理
    ・業務側の要求に見合ったサポートを実現するインフラの構築
  6. パターン&アナリティクス
    ・アクション可能な情報やパターンを運用データから抽出・特定を行える分析が必要
    ・セルフラーニングのサポート、入手可能な情報の拡大のためにビッグデータの概念が必要
  7. IT要員体系の構築
    ・これまでの役割や運用スキルに置き換わるコモディティ化したITサービスが増加中
    ・TechOps、トレーニング/リクルーティングリソースのための新しいスキルセット定義

こういった重要点に対する有効手法は、端的に述べるなら、「ITシステムが抱えるデータの爆発的な増大に対して、IT組織が比例した形で工数・費用増大を招かないよう、運用保守業務の品質と効率を高めるプロセスやツールの導入に向けて考えなければいけないこと」という話です。今後のIT運用管理、保守管理において、以下に挙げる6点への取り組みを具体化することで、現在のIT運用保守のレベルが自然低下していくことを防ぐものになります。

  • DevOps
    →DevOps(デブオプス)は、開発組織と運用組織の間におけるコミュニケーション・コラボレーション・インテグレーションの規則・方法論・実践法のこと。
    →DevOpsは、減少するスコープ変更、増大する調整と自動化を通して、無駄が少なく責任感の強いチームを育てる。
  • IT Automation
    →自動化は、仮想化・クラウド環境の管理方法を変え、複雑な業務要求をサポートできる。
    →自動化は、データ統合とビッグデータ管理における重要な役割を果たす。
  • Capacity Optimization
    →キャパシティ最適化はROIとサービス品質の改善に向けた余地を識別する。
    →不必要なサービス、保守切れサーバ、SWの旧ライセンス、ストレージ不足の解消によるコスト抑制。
  • Monitoring Solutions
    →モニタリング アズ ア サービスとしてリモート監視を提供し、現地付帯業務としての監視を不要とする。
    →モニタリングサービスを提供するベンダーには社内の様々なコンポーネントにアクセスさせることもできるため、注意深くベンダーを選定する必要がある。
  • Predictive Analytics
    →データを統計的に分析し、将来のトレンド予測と傾向対策を行う。
    →大規模データ活用はモニタリングツールの今後に関する重要要素になる。
  • Vendor Optimization
    →サービスおよび提供ベンダーにおける統合によって、コスト抑制・ビジネスアジリティ向上、サービス品質の改善を促す。
    →複雑性と重要性に基づくサービスとアプリケーションの分類整理は、サービス要件の適切な定義を実現する。

文章で表現するとさらっと述べることができますが、これを具体的にどうやって取り組んでいけばいいのか、イメージすることは簡単ではありません。そこで、このエントリーでは、そのヒントとなるTechOpsを構成する技術要素ぐらいまでは触れておきます。(1)ITサービスを調達すること、(2)ITサービスの品質を保証すること、(3)ITサービスを運用すること、という3つの領域に分類した上で個々の施策に取り組むことになります。

●サービスフルフィルメント(Service Fulfillment)
・コネクティビティ・サービス(Connectivity Services)
・プロビジョニング(Provisioning)

▲サービスアシュアランス Service Assurance
・機器管理(Element Management)
・性能・可用性管理(Performance and Availability Mgmt)

■ITオペレーション IT Operations
・システム管理サービス(System Management Services)
・ストレージ管理サービス(Storage Management Services)
・アプリ技術サービス(Application Technical Services)
・バッチスケジュール管理(Batch Scheduling & Management)
・災害復旧(Disaster Recovery)
・ホストベース侵入検知・保護(Host based Intrusion Detection & Prevention)
・設備運用(Facilities Operations)

●&▲:
・クラウド管理(Cloud Management)

全共通:

・サービス導入(Service Introduction)
・自動化管理(Automation Management)
・ガバナンス(Governance)

それぞれを具体化するためのベンダー製品の組み合わせについては、まず自分がWeb上で情報を集めるところから始めてみることをお勧めします。人から与えられたものをそのまま鵜呑みするのではなく、情報を集める過程で、自組織の問題点・解決を急がなくても構わない点が見えてくるようになります。こういった領域はやりはじめると際限がありません。ベンダーやコンサルの活用範囲が最適になるよう、まずは自分自身が解決の方向性をイメージできるようになってから、外部にソリューションを求めるようにしましょう。

NAKA

皆さんの中にはご存知の方も多いかと思いますが、2011年10月にガートナーから「2012年に注目すべき10の戦略的テクノロジ」が発表されました。

今後3年間間の中長期戦略において、企業が影響を受ける可能性を持つテクノロジーを「戦略的テクノロジ」と定義し、ITやビジネスに革新的変化をもたらすものや、大規模な投資を要するもの、また導入しなければビジネス上のリスクが拡大するものなどがリストアップされています。

私の所属するアクセンチュアも「テクノロジートレンド」というものを毎年発表しており、2011年からの5年間は、データ・アナリティクス、センサーネットワーク、ソーシャルプラットフォーム、データプライバシー、それにユーザー・エクスペリエンスが注目に値するテクノロジーであると述べています。

http://www.accenture.com/us-en/technology/technology-labs/Pages/insight-accenture-technology-vision-2011.aspx

話を戻しましょう。
ガートナーが今回選んだ10の戦略的テクノロジは以下のものです。

【2012年に注目すべき技術】
http://www.gartner.co.jp/press/html/ref20111129-01.html

・メディア・タブレットと次世代型製品
・モバイル・セントリック・アプリケーションとインタフェース
・コンテキストとソーシャル・ユーザー・エクスペリエンス
・インターネット・オブ・シングス ※センサーNW
・アプリケーション・ストアとマーケットプレース
・次世代アナリティクス
・ビッグ・データ
・インメモリ・コンピューティング
・超低消費電力サーバ
・クラウド・コンピューティング

アクセンチュアが2011年に発表したテクノロジービジョンと半分は被りますが、さらにデータアナリティクスを意識した技術、たとえばビッグデータ、インターネット・オブ・シングス、大量データ処理を意識したインメモリ・コンピューティングがランクインしています。

現在の技術では、ビッグデータを蓄積することはできても、それを適切に分析できるモデル(ポリシー)やそれを(リアルタイムレベルで)処理するハードウェアは研究段階に留まっており、完全な商用化はされていません。それは、あのなんでもやってしまうGoogleがビッグデータ分析によるサービスを検索以外で打ち出せていないことが何よりの証左とも言えます。

これら技術が2012年にどう花開いていくのかは楽しみですが、一方で、過去に発表された「戦略的テクノロジ」はどうなったのでしょうか。気になってしまったので、過去にガートナーが発表した情報を探してみました。

すると、2008年末に「2009年の戦略的テクノロジ」を発表したのが一番最初であり、それまでガートナーはこういった情報を発表していなかったようです。ということで、2009年分~2011年分までを以下に列挙してみました。複数年に渡って登場している技術(類似を含む)は、一番最初に登場したものを★でマーキングしてみます。

【2011年に注目すべき技術】
http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20101025-02.html

・クラウド・コンピューティング
・モバイル・アプリケーションおよびメディア・タブレット
・ソーシャル・コミュニケーションおよびコラボレーション
★ビデオ
・次世代型分析
・ソーシャル分析
★コンテキスト・アウェア・コンピューティング
・ストレージ・クラス・メモリ
・ユビキタス・コンピューティング
★ファブリック・ベースのインフラストラクチャおよびコンピュータ

【2010年に注目すべき技術】
http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20091111-01.html

・クラウド・コンピューティング
★高度な分析
★クライアント・コンピューティング
・ITによるグリーン化
★データセンター再構築
・ソーシャル・コンピューティング
★セキュリティ - アクティビティ・モニタリング
★フラッシュ・メモリ
・可用性のための仮想化
★モバイル・アプリケーション

【2009年に注目すべき技術】
http://www.gartner.co.jp/press/html/pr20081027-01.html

★仮想化
★クラウド・コンピューティング
★サーバ (ブレードを超えたもの)
★Web指向アーキテクチャ (WOA)
★エンタプライズ・マッシュアップ
★「特化型」システム
★ソーシャル・ソフトウェアとソーシャル・ネットワーキング
★ユニファイド・コミュニケーション
★ビジネス・インテリジェンス (BI)
★グリーンIT

今見返してみると、2009年の注目技術で挙げられている内容が非常に懐かしく感じます。

グリーンITという言葉は途中で消えかけましたが、日本で起きた東日本大震災を機にまた存在感を増してきました。BIはBA(ビジネス・アナリティクス)に名前を変えています。ユニファイド・コミュニケーションは、マイクロソフトやCISCOの営業努力もあって、世の中にかなり浸透してきたと思います。エンタープライズ・マッシュアップ、WOAはクラウド・コンピューティングの中に取り込まれていった感じがします。「特化型」システムとサーバ(ブレードを超えたもの)は、大容量データ処理(インメモリ・コンピューティング)やセンサーネットワークという方面に発展しているのかなと思えます。ソーシャルなんたらは、まさにこのまま発展していると言えるでしょう。

過去の技術トレンドを遡って、皆さんは何か発見はありましたか?

NAKA

過去、世界の工場として飛躍的な発展を果たしてきた中国ですが、その一番の原動力はコスト優位性に他なりませんでした。圧倒的な人件費の安さに魅力を感じて、世界中の多くの企業が中国内に工場を設立していることは誰もが知っていることだと思います。

近年は、元の切り上げや頻繁な従業員の給与引き上げによって、コスト面での魅力が徐々に薄れつつあり、先にあげたコスト重視の企業は、人件費がまだ安価なベトナムやタイに生産拠点を移す動きをみせていますが、それでもまだ多くの企業は中国内での生産を続けています。

そんななか、週末に少し驚くニュースを目にしました。

『中国パソコン最大手のレノボ・グループのミルコ・ファン・ドュイル上席副社長は8日、読売新聞のインタビューに応じ、レノボブランドの日本市場向けパソコンの生産を、中国などから国内に切り替える検討を進めていることを明らかにした。

 生産効率化とブランド力強化を進め、国内シェア(市場占有率)3割を目指す。

 レノボは今年7月、NECとパソコンの合弁会社「レノボNECホールディングス」を設立。「ラヴィ」などNECブランドのパソコンは米沢事業場(山形県米沢市)で生産し、「シンクパッド」などレノボブランドは海外の企業に生産委託などをしている。

 ドュイル副社長は「消費者に近いところで生産することは重要」と述べ、今後は法人向けノート型パソコン「シンクパッド」や、個人向けノート型の「アイデアパッド」など、すべてのレノボブランドの商品を米沢事業場で生産することを検討する方針を表明した。』
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111210-OYT1T00166.htm

前述の文脈に沿って、単に欧米や日本のグローバル企業が生産拠点を変えたという話ではありません。私が驚いたのは次の2点です。

 #1.中国の生産拠点を「日本」の東北地区に移したこと
 #2.これはLenovoという中国PC大手企業が決断したということ

Lenovo(聯想)はPC事業をNECと一緒にやっているわけですが、中国企業が自国の生産拠点を捨てて、日本のモノづくり産地を選んだというのは、生産効率性(高度化)を高めることで中国国内の生産総コストよりも抑制できる見通しがあるからだと思われます。さらに、”MADE IN JAPAN”というブランドを活用して、セールスの拡大を狙いたいという思惑も、報道内容からは伺えます。

PCといえばIT産業の代表的な製品ですが、こういったレベルの製品については、中国国内で敢えて作らずとも、全体コスト(輸送費含めて)と品質(サプライチェーン上のリードタイムを含めて)の総体で考えれば、先進国の労務コストでも十分戦えるステージになってきたということですね。

NAKA

先日のエントリーにて、「iPad」という商標を中国本土で使ってはいけない、という判決が中国国内の裁判所から示されたとお伝えしましたが、その後、予想通り、iPad商標の中国内での権利を有する唯冠科技から損害賠償の訴えが提示されました。その額、1200億円(100億元)とのこと。


『9日付の中国紙、南方都市報によると、広東省深セン市のIT関連企業、唯冠科技が米アップルを相手取り、中国国内で唯冠科技がもつ「iPad」の商標権を侵害されたとして100億元(約1200億円)の損害賠償を求める裁判を同市人民法院(地裁)に起こした。同時にアップルのタブレット端末「iPad」の中国での販売差し止めを求める仮処分も申し立てた。

唯冠科技の台湾親会社が2000年に全世界で「iPad」を商標登録し、01年に唯冠科技が中国で登録していたため、アップルは09年、唯冠台北から「iPad」の商標を買い取る一方、中国国内での商標権の確認を求めて唯冠科技を訴えていた。だが同法院は今月5日、中国の商標権は唯冠科技に属するとしてアップルの訴えを棄却した。』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111209-00000007-fsi-bus_all


商標権があまりにも高額になる場合、アップルは「iPad」という表現を諦めて、名称の変更(漢字の当て字を用いる等)の可能性もあると取り沙汰されてきましたが、それが俄然実現性を帯びてきた様相です。

中国では、アップル社は「蘋果公司」という音の当て字で表現することもできますし、スティーブ・ジョブズも「史蒂夫·乔布斯」と表現できるのですから、iPadも漢字表記で統一してしまえ、という決断が下されることがあってもおかしくはありません。

実際、日本ではiPhoneを日本語表記するには、アイフォンではなくて「アイフォーン」としなければならなかったのは、その商標を日本の別の企業が登録していたからです。

『アイホン、iPhoneの商標問題でAppleと「友好的合意」』
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/24/news102.html

今分かっている情報から察する限りでは、このまま正面から戦っても、アップルが敗訴することは間違いないのではないかと思えます。なにせ、訴えを起こしている企業はリーマンショック後の経営不振ですでに銀行による資産接収がなされ、北京のコンサルティング会社「和君創業」が管財人となっているとのことですから、これは明らかに金目当ての訴訟であることは疑いようがなく、もしアップルが商標の譲渡を狙うなら、先の損害賠償金に加えてさらに多額を要求されることでしょう。

「取れるところから可能な限りふんだくる」

そういうマインドを持ったところと円満な交渉は期待できません。ならば、いっその事、iPadを使用しなくてもアップルは全然困らないという状況を自ら引き起こすことで、肩透かしを食らわせてやればいいではないか、と思う次第です。

NAKA

LinkedInというビジネスパーソン向けのSNSがあります。先日、日本語対応をして話題になっていたやつですが、このSNS内のニュースサイトで、「お金よりも従業員のモチベーションを高める9つのもの」(9 Things That Motivate Employees More Than Money)というエントリーがありました。

紹介されていたのは次の9つのコトです。

【1】惜しみない称賛を送る
    (Be generous with praise)
【2】管理職をなくす
    (Get rid of the managers)
【3】自分が考えたように思わせる
    (Make your ideas theirs)
【4】批判や訂正を決してしない
    (Never criticize or correct)
【5】ひとりひとりをリーダーにする
    (Make everyone a leader)
【6】週に1回はみんなでランチに行く
    (Take an employee to lunch once a week)
【7】成果を讃えて報いる
    (Give recognition and small rewards)
【8】会社でパーティを催す
    (Throw company parties)
【9】喜びと失望を共有する
    (Share the rewards—and the pain)

http://www.linkedin.com/news?actionBar=&articleID=960869492&ids=0TcPsPd30VdjAIdPsMdP4SczoVb3kOd3AQcjwReiMNdPgMczgMdzAIczAQejoUc3oV&aag=true&freq=weekly&trk=eml-tod2-b-ttl-0&ut=2JgVT5I9Azz501

このエントリーを読み終わって気づいたのは、私が所属しているアクセンチュアという会社は、この全てを実践しているということでした。上記の9つをざっくり分類すると、次の3パターンに収まるかと思います。
※もっとしっくりくる分類があったらコメント下さい。

  •  キミの成果を認めるよ系 :1、4、7、9
  •  仕事の裁量を増やすよ系 :2、3、5
  •  楽しいイベントやるよ系 :6、8

相手の心情に寄り掛かって共感し、やることの裁量を広げて、楽しく一緒に過ごす時間を提供する。今のアクセンチュアはこの仕組みがちゃんと備わっているんだな、と改めて実感した次第です。

 

ちょっと話は逸れますが、アクセンチュアに3つのコアバリューと読んでいる社訓みたいなものがあります。全部英語ですけど、直訳だとニュアンスが伝わりにくいので、私なりに意訳してみました。

 ■ Value Creator (価値を提供しよう)
 ■ People Developpr (ヒトを育てよう)
 ■ Business Operator (責任を果たそう)

「価値」というのは、付加価値のことです。自分が加わることによって、どんなプラスアルファを相手に与えることができるのかをいつも自問し、相手が期待する以上の成果を出すことを心がけてほしいということです。

「ヒト」が指すものは部下だけではありません。同僚、お客さん、時には上司に対しても、相手を成長させる何かをすることができる人材となって、自分の周囲にいる人たちの成長を促進させるようになってほしいということです。

「責任」という言葉は、自分への向けられている期待と言い換えることができます。直接自分に与えられた仕事だけをやるのではなく、期待されている役目を率先して果たすために、やるべきことやる姿勢を持ってほしいということです。

これら3つのコアバリューを意識して、組織のリーダーが行動を実践すると、Value Creatorは「成果を認める系」と重なり、Business Operatorは「裁量を増やすよ系」と被り、People Developerは上記2つに加えて「イベントやるよ系」を含むことになるので、『人材のモチベーションを高める仕組みがアクセンチュアにはある』というなんとも手前味噌な結論に、恥ずかしながらというか、別に恥ずかしくもないですが、至った次第です。

 

こういう視点で会社を評価するということができる就活生がいるといいですね。

採用活動で受身にならず、自分がこの先活躍できる場を提供してくれる組織なのかを問い掛けることは、優れた組織を見極めることができるという自分自身のメリットの他に、採用する側として登場する管理職クラスの人たちへ何らかの気づきを与えることができるかもしれませんし、少なくともそういう意識を持った人材を評価するところは少なくないと思います。

就職活動というものは、多くの就活生における人生の重大イベントであり、自分自身のことで手一杯だという方はきっと多いと思います。でも、学校の友達やグループディスカッションで同席した仲間、面接で応対してくれた会社の先輩とのやりとりで、相手から何を得られるか&自分は相手にどんなプラスアルファを与えることができるのか、を考えて行動することを心がけると、これまでとちょっと違った風景が目に入ってくると思いますし、何かが変わると思いますよ。

これから就職活動はさらに活発になってくるでしょうが、体調には気をつけて、気持ちに張りを持ってまっすぐに、でも時々周りを見渡しながら、しっかりと前に進んで下さい。

NAKA

アップルといえば、iPhoneやiPadが代表的な製品ですが、「iPad」という商標を中国本土で使ってはいけない、という判決が12/5に中国国内の裁判所から示されたことが話題になっています。

中国メディアによると、米電子機器大手アップルなどが中国国内における多機能端末「iPad」の商標権所有の確認などを求めていた訴訟で、広東省深セン市の中級人民法院(地裁)は6日までに、同社の訴えを退ける判決を言い渡した。

 報道によると、被告となった深センのIT企業は2001年、中国国内で「iPad」を商標登録。アップル側は09年、各国で「iPad」を商標登録していた被告会社と同グループの台湾企業から、3・5万ポンド(約420万円)で全世界の商標権を譲り受けることで合意した。

 判決は、商標権の譲渡契約は所有者と結ばなければならないと指摘。台湾企業は被告会社の「代理者」には当たらず、訴えは法的根拠がないと判断した。
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011120601002216.html

 

訴訟を起こしたのは唯冠科技(深圳)公司という企業です。

2006年、アップルがiPadの販売を計画していた頃、当時の世界大手ディスプレイメーカーだった唯冠国際の台湾子会社が世界各地で「iPad」の商標権を獲得していたため、400万円程度で商標を買い上げたのですが、実はこれは中国本土でのiPadという商標権利が含まれていなかったのです。このため、前述のような訴訟が起こり、アップルは敗訴となったというわけです。

この結果、このまま何もしなければ、アップルは中国本土でiPadという名称を利用できなくなりますから、商標譲渡に向けた交渉を唯冠科技(深圳)公司とすることになるのでしょうけど、今回はすでにビッグネームとなったiPadについて、かなりの金額が要求されることになるでしょう。武闘派のアップルですから、これに控訴して徹底抗戦を仕掛ける可能性もあり、その場合は、中国本土でのiPad正式販売は遅れてしまいます。

アップルは見事に嵌められてしまいましたね。これは推測ですが、訴訟を起こした唯冠科技は、自分たちの中国本土におけるiPadの価値を理解した上で、ギリギリまで沈黙を保っていたのでしょう。そして、iPadの商標を最も高値で買い取ってもらえるタイミングを見極めていたのではないかと思います。さもなければ、この訴訟は不自然過ぎです。

この件については、以下のサイトで詳しく触れているので、そちらを御覧ください。
http://kinbricksnow.com/archives/51760501.html

中国における商標権のトラブルはこれまでもたくさんありました。少し調べてみただけでも色々と出てきましたが、きりがないので、その一部を列挙してみます。いずれの訴訟も、基本的には同義に即した結審となっていますが、決着までに数年経過しているものが多数あり、訴訟コストと労力は相当なモノであることは容易に想像できますね。

○マクドナルド (2011年)
2001年に赤い背景に黄色の『W』ロゴを記した「万代福(ワンダフルワンダフー)」という名の商標を中国企業が登録。マクドナルドはすぐに『W』のロゴは『M』と酷似しており、撤回するように求めたが、商標局はこれを棄却。その後、2010年に「食堂やカフェなどでの使用は禁止」との決定を下したが、現在も係争中。

○ランドローバー (2011年)
英自動車メーカー「LANDROVER」が、中国自動車メーカー吉利社が有する商標「路虎」(LANDROVERを中国語で表記したもの)の商標登録の取消を求めたが、訴えは却下された。その後、ランドローバー社は控訴し、「路虎」の商標登録を取り消す判決が出された。

○セコム (2010年)
セコムの登録商標である「SECOM」と類似するマークの使用中止を求めて、2007年に深圳世強電訊有限公司を提訴。2009年10月にセコムの主張を認め、8万元の損害賠償と「SECOM」と類似するマークの使用を直ちに停止するよう命じる判決を言い渡し、2010年9月に判決が確定した。

○クレヨンしんちゃん (2009年)
中国企業の「商標の登録行為に関しての悪意性を認めた」が、登録から無効請求までに5年以上が過ぎているとして双葉社の訴えを却下し、中国企業の商標登録を認めた。

○青森 (2008年)
2002年7月に広東省広州市のデザイン会社が「青森」の商標登録出願をしたところ、2003年4月に日本の青森県・青森市及び県内24団体が中国商標局に異議申し立てを行い、同年7月に受理された。約4年半経過した2008年2月、中国商標局が日本側の主張を認める裁定を出した。

○バイアグラ (2008年)
中国国内でのED治療薬バイアグラの商標登録をめぐる訴訟は約10年に渡って行われ、2008年4月に中国北京の裁判所で大手製薬会社ファイザー社と広州ウェルマン薬業公司など3社の間で争われた商標侵害の訴訟に関する最終審判決が下り、ファイザー製薬が敗訴した。

○ヤマハ (2007年)
自社商標の無断使用について、ヤマハ発動機が中国の二輪車メーカーなど計4社を相手取り、損害賠償などを求め、最高人民法院は中国メーカーなどに約830万元(約1億3000万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

○無印良品 (2006年)
JBIが中国における「無印良品」および「MUJI」の商標を不正に先行登録。2000年5月、JBIの商標登録の無効取消を求めて訴訟し、取消審決が2005年11月に下された。その後、JBIは出訴したものの、2006年8月に結審。

○トヨタエンブレム (2003年)
トヨタ自動車が、中国の自動車メーカーの吉利汽車(ギーリー)の使っているエンブレムが類似しているとして使用差し止めを求めた商標権訴訟で、北京市第2中級人民法院は、「双方のロゴは明らかに異なり、混乱を招かない」としてトヨタの訴えを棄却する判決を言い渡した。

NAKA

大阪市長選挙で橋下さんが平松さんを打ち破り、大阪新市長に就任することになりました。日々、様々なメディアで大阪市の財務状況が悲惨な状況であることが伝えられていますが、他の類似市と比べてどれだけ悪い数字なのかが気になって、少し調べてみました。

結果から言いますと、なんとまあ、たしかにこの数字は悪いなぁと感じられるものだったので、備忘録がてら、以下に記します。

■市職員数比較
職員数(2008年時点)が多い順に上から並べてあります。できるだけ近い規模で比較できるよう、政令市における人口1万人あたりの職員数での比較になっているのですが、大阪は余裕のワースト1位。次点の名古屋市と比べても20%以上も人が多いです。

人口数から言っても、横浜市クラスの効率性を目指すことも無理ではないはず。そうすると、なおさら大阪市の非効率性が目につきます。

政令市:職員数:職員数/人口1万人
----------------------------------
大阪市:3.9万人:147人  ※参考:市人口267万人
横浜市:2.8万人:77人   ※参考:市人口370万人
名古屋市:2.7万人:120人  ※参考:市人口226万人
神戸市:1.7万人:112人
京都市:1.6万人:108人
札幌市:1.5万人:77人
川崎市:1.4万人:100人
広島市:1.2万人:102人
福岡市:1.0万人:72人
仙台市:1.0万人:94人
(出展:読売新聞2010年8月23日)

■市民一人当たりの市債
2008年時点では、大阪市が頭ひとつ抜けて悪いです。大阪市を100%とすると、次点の福岡市は88%程度、前述の横浜市(同65%)と名古屋市(同74%)と比べると、なお一層、市の財政の悪さが目立ちます。

政令市:市債/市民1人
---------------------
大阪市:195.1万円
福岡市:172.2万円
神戸市:162.6万円
 ~
名古屋市:144.8万円
横浜市:125.9万円
(出展:Wikipedia)

■市民一人当たりの人件費・物件費
2008年時点で比較すると、人件費・物件費は他市と比べて20%近くも多く、市民から徴収した税金を使っているということになります。ちなみに、大阪市はカラ残業や厚遇された福利厚生などが有名であり、比較できる数字以上に差は大きいと思われます。

政令市:人件・物件費/市民1人
--------------------------------
大阪市:13.9万円
類似団体:11.4万円

(出展:大阪市市政)

NAKA

11/28 月曜にアルカディア市ヶ谷にてAsian Data management Conference in Japanが開かれ、データ管理にまつわる様々な話が取り上げられました。私も分科会リーダーという立場もあって、この日は休みを取ってカンファレンスに参加していましたが、データ管理に関心の強い方々が100名以上も集まって、会場は人でいっぱいでした。 

http://www.dama-japan.org/Conference/Yearly2011

今回のカンファレンスは、昨年11月にDAMA Japanが結成されて以来、初めての全体会議だったため、分科会活動が異なる方がたくさんいらっしゃったのが印象的です。米国から招聘した3人のゲストスピーカーのうち、DAMA International会長のAikenさんが示した「ROT」というデータのムダ削ぎ落としの考え方は、私にとって興味深かったので、ちょっと説明させて下さい。

ROTという言葉は、英単語で「くだらない」という意味ですが、これをデータ管理の文脈で使うと面白いことになります。ROTはそれぞれ、Redundant(余分), Obsolete(古い), Trivial(些末)の頭文字3つを並べたものであり、つまり、そういったデータはROTだから(くだらないから)消してしまえ、ということです。そういう努力は、データ管理をコストからインベストメントへ変化させる土台となり、Cクラス(経営者)が好むマネタイズにつながるとのこと。

最近はビッグデータを使ったビジネスアナリティクスが注目を集めており、これに影響され、「どんなデータでもとりあえず保持してビッグデータに突っ込んでしまえ」いう風潮が散見されますが、基本に忠実、ROTなデータは排除するというポリシーを持つことで、不必要なデータの増大を抑制することができます。

Aikenさんのセッションでは、他に、データ管理の体系整理について言及されていました。世界で最初にデータ管理を公的に研究し始めたのは英国諜報機関なのだそうですが、そういった歴史を経た結果、データマネジメントでは5つのコアファンクションに集約されるという説明がされました。以下は、それらの5つのファンクションとその意味です。

第1. Data program Coodinate (データ一貫性の管理)
第2. Organize Data Integration (個別組織を超えたデータ共有)
第3. Data Stewardship (データ責任者の任命)
第4. Data Development (データを提供する仕組みの構築)
第5. Data Support Operations (データの維持管理)

このうち、第4では新規DBの構築が含まれるのですが、Aikenさんは「某海外銀行では行員数4万人に対して、抱えているDB数は数十万にも上った」という経験を引き合いに、「既存DBが膨大な組織では第5を学ぶ方が先になる」と話していたことを補足しておきます。

ここではさらに、システム構築における取り組み順序についても問題提起がなされ、以下のような発想の転換が必要だと述べていました。

<新規システムの構築に当たっての検討順序 :データ管理を軽視している企業>
 #1 Strategy, 戦略
 #2 Goals/Objectives, 組織の目的
 #3 Systems/Apprications, システム・アプリ
 #4 Networks/Infrastructure, ネットワーク・インフラ
 #5 Data/Information, データ・情報
             ↓
<同上 :あるべき姿>
 #1 Strategy, 戦略
 #2 Goals/Objectives, 組織の目的
★#3 Data/Information, データ・情報
 #4 Systems/Apprications, システム・アプリ
 #5 Networks/Infrastructure, ネットワーク・インフラ

データ管理を軽視している企業では、「データはアプリのためにある」という発想に基づくため、アプリケーション内の利用に制限されてしまいがちで、データ自身を全社的に活用することが困難になりがちな傾向にあります。これを、データ中心の視点に持ってくることで、状況の改善を図ることができるとのこと。

思えば、EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)では、BA(ビジネスアーキテクチャ:業務体系)に直結しているものはDA(データアーキテクチャ:データ体系)であり、合理的なアプローチであることは世に認められています。

データセントリック(データ主体)な考え方がされているかどうか、自分の周りのシステムを見回してみると、新しい改善余地が見つかるのではないかと思います。

NAKA

事実上の一騎打ちとして日本中の注目を集めていた大阪市長選挙は、橋下徹氏が平松邦夫氏を下して幕を閉じました。投票率は60.92%で前回2007年の43.61%を17.31%上回ったということです。

両者の政策の違いは選挙ジャパンのサイトが端的にまとめていて詳しいです。

http://www.senkyojapan.net/sp_oosaka/hikakuhyou/

<一部引用>
【大阪都構想】
(橋下氏の考え)
大阪府・大阪市を廃止し「大阪都」を設置。大阪市などを「特別区」にして、財源を大阪都に委譲することで二重行政の解消を目指す

(平松氏の考え)
「大阪市・市民をバラバラにさせない」と反発。「特別自治市」構想を念頭に、府と政令市の広域連合で二重行政の解消を目指す

【公務員改革制度】
(橋下氏の考え)
区長公選や職員基本条例など、新たな制度作りを主張

(平松氏の考え)
区長準公選や職員倫理条例など、現行制度内で対応

【教育行政】
(橋下氏の考え)
ブロックごとに8〜9の教育委員会の分室を設置。学校選択制を導入

(平松氏の考え)
学校を地域の拠点とし、社会が子供を育てるとして、教育基本法案に反対

【エネルギー政策】
(橋下氏の考え)
市は関電の筆頭株主。権限を利用して「脱原発」を提案

(平松氏の考え)
「筆頭株主として多くの株主の利益を考えなければならない」と株主権の行使には否定的


主張が異なるものを中心にピックアップしましたが、他にも様々な点で、橋下氏は急進的/平松氏は漸進的なスタイルを貫いています。まさに、革新対保守の対決だったということです。

話は変わりますが、私が今回の大阪市長選挙で気になったのは投票率です。60%を超える投票率は40年ぶりの高水準であることはマスコミ各紙が報道していますが、最高値は1951年に記録した73%です。60年近く前の当時と投票率を比較することはナンセンスかもしれませんが、それにしても歴史的な選挙と考えられる今回の市長選で投票を行わない有権者が4割もいたということを、どのように捉えるべきでしょうか。

簡単に調べて見たところ、「#1 自分の意志で投票をしなかった人」、「#2 自身の都合で投票ができなかった人」、「#3 投票したかったけど、やり方がよく分からなかった人」の3種類に大別できるようです。

1つめについては情けない限りであり、特に今回のような現状維持派と改革派の戦いで自分の意思表明することをしなかった人は、今後の国政を争う選挙にも傍観を決め込む人が多いのではないかと危惧します。立候補者が全員気に食わないのなら、無記名投票をすることで意思表示をすべきでしょう。そうやって投票率を高めていき、できるだけ多くの人々が政治に参加している環境を作り上げることが望ましいのではないかと思う次第です。

2つめについては、期日前投票の仕組みをうまく活用することで対応できれば良いのですが、土日勤務や月単位の出張などで選挙の参加に個人的な無理を強いられるのであれば、その理由を個人単位で集計できるシステムを選挙を管轄する国の機関が一括して構築し、効果的な改善策を模索すべきと思います。有権者が政治に参加しやすい環境を構築することは、国の責務なのではないでしょうか。

3つめについては、実は私は今までその存在を知りませんでした。しかし、Web上で意見を拾っていくと、その数は無視出来るほど少なくないのではないかと感じています。たとえば、

・投票ハガキが現住所ではなく本籍地に送られており、選挙期日を迎えていた
・そもそも選挙の仕組みを理解しておらず、参加方法がよく分からない

前者は選挙システムの改善、後者は選挙参加方法を義務教育から教えていくカリキュラムを用意することで解消を狙ってはどうかと思います。


最後に、平成20年に埼玉県朝霞市の選挙管理委員会が行った「投票行動意識調査」を紹介しておきます。この報告書は、投票に関心のない理由を有権者からヒアリングした結果がまとめられています。

選挙に関する有権者の意見も200項目以上挙げられており、選挙自体への興味/投票システム/自治体の姿勢/管理委員会の姿勢/選挙教育の必要性/インセンティブやペナルティなどなど、こんな意見もあるのかというものも含まれており、興味深いです。

http://www.city.asaka.saitama.jp/guide/cityorg/senkyo/pdf/touhyoukoudou.pdf

NAKA

障害原因となっている機器をメンテナンスするために一時的にアプリケーションを止めたいが、業務への影響が発生するのでいつも苦労しているという現場は多いのではないかと思います。

以前までは、業務側と計画停止の調整を行って土日祝日にシステムを停止するくらいしか方法がありませんでしたが、仮想化環境が企業内で浸透するにつれ、平日のシステム利用時間外にライブマイグレーション(動的変更)を行って、別の物理サーバ上で仮想サーバを退避&稼働させることをやるようになってきてます。

※ライブマイグレーションの簡単な説明はこちら
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/operation/livemig01/livemig01_01.html

 

ただ、このとき工数上のネックになりがちなのが、通信経路変更に伴うネットワーク機器の再設定です。特に、物理拠点が異なる場所にあるサーバ上へライブマイグレーションを行う場合、設定が不十分だと通信不能に陥ることもあります。

これら失敗の原因は、論理ネットワークに関する情報が十分に可視化されておらず、ネットワーク管理者が構成情報を把握できていないことが大きく、従来の製品群ではここをワンストップでカバーするものを見つけることは難しかったのです。

ところが、先日NECさんの座談会で説明頂いた「UNIVERGE PFシリーズ」(プログラマブルフロー)というネットワーク機器は、まさにこの点をカバーしているものだったので、このエントリーで紹介したいと思います。
 

『クラウドネットワークプラットフォーム UNIVERGE PFシリーズ
(プログラマブルフロー)』
http://www.nec.co.jp/datanet/pflow/

 

この製品の最大の特徴は、ネットワークのシンプル化を実現するプログラマブル・フローというアーキテクチャです。

概念図は上記の製品紹介リンクを参照すれば分かりますが、OpenFlow(オープンフロー)というNW制御技術を使って、パケット転送機能と経路制御機能を分け、通信トラフィックをフロー単位(通信されるデータ単位)に制御することで、経路制御、ネットワーク仮想化、可視化を実現しているのです。

このあたりの説明は、同じく座談会に参加されていた小俣さんが書かれているので、詳しくはそちらを御覧ください。

『OpenFlowで何が変わるのか?座談会@NEC本社』
http://blogs.itmedia.co.jp/komata/2011/07/openflownec-b3c3.html

ネットワーク技術に詳しくない方は、「ネットワークの管理をシンプルにして耐障害性を高め、かつシステムの管理負荷(工数)を軽減できるソリューション」だと思って下さい。概ね間違っていません。

この製品の説明を受けて、私がスゴイと感じた点を列挙しましょう。

【メンテナンス負荷軽減という観点】

  • 物理ネットワーク構成図に加え、論理ネットワーク構成図にNW機器や仮想ブリッジ、仮想ルータを紐付けてGUIで管理可能。
  • コントローラにスイッチを追加するのはUSBのプラグアンドプレイと同じ感覚。
  • 1週間もあれば、ユーザ企業のネットワーク担当者が習熟可能。

【業務継続性・コンティンジェンシーへの寄与という観点】

  • ディザスタリカバリ(DR)については、ラスベガスのインターロップで受賞した。詳しくは下記リンク先の図を参照。
    http://www.geekpage.jp/blog/?id=2011/6/17/1
  • VMwareを使い、拠点を跨いだライブマイグレーションが可能。ループに強いこの製品だからこそ実用レベルの実装ができた。
  • 仮想化ベンダー(特にVMware)と検証を重ねてきた実績のあるソリューション。

【コスト抑制という観点】

  • NECのSAPシステムのNW環境をOpenFlowにリプレースし、NW機器数を大幅に集約。
  • 1サイトで2台の専用コントローラと2台の互換スイッチが推奨最小構成。最大は25台のスイッチ。ネットワーク機器の通信負荷が高まってきたら、新たなスイッチを追加することで負荷軽減可能。これにより、スモールスタートからネットワークのリソースプールを実現。

もちろん、こういった先進技術は良い点だけではありません。基幹技術は安定しているといえども、それを支える支援技術がまだ実装途中だったりします。それはこのOpenFlowも例外ではありません。

  • マルチサイトのコントローラを一元管理することはできず、サイトごとの管理になる。2012年には対応可能となる。
  • 物理ノードに紐付く論理ノードは簡易に検索する機能をまだ実装していない。
  • (ただし、特定ノードを利用不可とした際、関連する論理ネットワークは当該箇所を迂回するルートを自動再設定する)
  • FCoE(ファイバチャネル・オン・イーサ)への対応は今のところ未定のため、ストレージレベルの拠点間データ同期との組み合わせたソリューションはSIerによるソリューション提案が必要。

これらは時間が解決する問題です。実際、以下のような対応がNEC、標準化団体によって行われていると聞いています。

  • 今はL4レベルまでの通信経路ポリシー決めだが、さらにデータ部の条件組み合わせによるポリシー作成が可能になることを目指している。
  • 他社では、現時点でOpenFlowを商用化できているところはない。世界でNECのみ。規格事態は標準化団体(有力プレイヤーが多数参加)で定められており、今後は世界中で同技術によるNW製品が発表されると思われる。


OpenFlowを用いたUNIVERGEというこの製品のビジネスターゲットは、大量のトラフィックを捌くことが重要なデータセンター業者、もしくはネットワークパフォーマンスに苦労しているユーザ企業です。

興味のある方は、NECへ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

NAKA


プロフィール

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中 寛之

アクセンチュアに勤務。
ITIL Managerとして、システムインフラのコンサルティングを中心に、業務領域まで幅広く担当しています。

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