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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

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2007年3月16日の投稿

2007年3月19日 »

商売人にとって「常連」さんは本当に大事です。飲食業経験の話は「はじめまして」エントリで言いましたが、ビジネス上はちょっと慎重な対応が必要だと思っています。

かっこよく英訳(?)すれば「リピーター」です。

「リピーター」は、別エントリのとおり、我々「委託先」を使うために、大体にしてかなり丁寧に準備してから発注依頼をしてくれています。

これは、素直に、とてもありがたいことです。

ただ、常連さんは「優遇される」とは限らないのです。というか「常に優遇すべきではない」のです。

最初に、不肖の飲食業経験範囲で恐縮ですが、簡単な分析をします(注)。

「常連」さんの言い分

常連なんだから、いろいろ優遇して欲しい。

優遇されている常連をみて、「一見さん」も「常連になりたい/なろう」と思う人は多いはず。

だって、「いい店」なんだから。

「お店」の言い分

常連だって、最初は「一見さん」であったわけで。

だから、常連さんだからこそ、「一見さん」にも配慮して時には一見さんを優遇させて欲しい。

常連さんは「一見さん」が「常連になりたい」と思ってくれるような立派さであって欲しい。

まあ当時助言や指導してくださった関係者の方々に言われたことは、

「常連」ばかりを差別しすぎると「一見」は「常連にならないと低く扱われるのか」と、どっちかというと気分が悪いことが多い。

だから、「一見を厚く一緒に迎えてくれるように常連の指導(日頃の気遣いという意味で)をすべきであり」、

「常連になってほしくない一見は、モチのロン、やんわり排除できるだけ」の、そして「常連からみて、常連に迎え入れるにふさわしい一見には、暖かく配慮できるだけの素養が持ってもらえるように常連に常に働きかけていこう」、

ということは、「

そう常連が心から思ってくれるようなお店であり続けるために、努力を怠っちゃあいけないよ」。

そう毎晩、教わってました(特注)。

現在私が手がけるビジネスと飲食業のこれとは、さすがにパーフェクトマッチしないことは、わかってはいます。

確かに、

常連さんは、私たちの「扱い方」をよーく知ってくださっています。

ですから、いわゆる「Opportunity」が「Deal」になるところまでは、実にスムースです。

ただ、時折、契約途中で無理な値引きや業務内容の追加注文とかにも遭遇します。

我々コンサルタントも、時として困惑します。

「長い付き合いなんだから、このくらいの追加業務、請け負ってくれよ!」

「常連さんだから、断りづらいんですよね」

たまにこういう対応に苦慮するSCENEに、出会ってしまいます。

最初のお取引はお互い手の内を探りつつ、最終的な達成目標を確実にクリアするためにいわゆる「真っ向勝負」の世界。

これが常連取引となると、お互い手の内も知っているだけに異様に「駆け引き」をしたがることがある。

関係者の上層にある意思決定組織において、いろいろポリティカルに配慮しなければならないことはあります。

「馴れ合いではなく厳しい刃の突きつけあいをした上で、取引相手としてふさわしいと厳しく審査した結果と、さらに常連取引たる優遇条件を引き出した上での、取引申請をしています!」

このような評価根拠は時として重要です。ただ限度もありますね。

一番悩ましいのが、常連取引は得てして残業過大になっていくことが最近多いです。

これは、小生の過去の経験上は、むしろ「初」取引だから残業もいとわずと思っていたのですが、最近は意外にも長期取引の方が労働時間環境はあまり良くないのです(全部とはもちろん言っておりません、統計的な話です)。

お客様が遅くまで頑張っているのに、支援に来た我々が定時くらいにさっと退社するのはおかしいと思いますが、最近は逆転現象も起きているようです。

対価もいただくわけなので、ある程度は許容できますが、どうも最近その「程度」を超越しそうな懸念も感じております。

「常連」たる立派なお客様にはこの辺のバランスを、今後一緒に考えていきたいものです。

それが、今後「常連さんを、いい塩梅に、常に、優遇できる」1つの道な気がしています。

我々は、所詮、人材資本の商売なのですから・・・お客様、お願いします。

(注)不肖は居酒屋系とバーテンダー系の経験があるのですが、全ての飲食業経営を熟知しているわけではないので、もし小生の主張に偏りがあるようでしたら申し訳ないです。

(特注:とは言っても心苦しいのは2つの飲食業経験したその店が現世に存在しないことです・・・)

TORAPAPA

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北添 裕己

北添 裕己

アクセンチュア、ヘッドストロングを経て現在、キタゾエアンドカンパニーで金融機関主体の経営・ITコンサルに従事、特にプロマネ領域にカリスマ的手腕を発揮

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