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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

« 2007年2月28日

2007年3月1日の投稿

2007年3月5日 »

ビジネスの内容によらずどんな企業も基本的には毎年従業員のお給与を見直しする必要があります。小職の会社は1月年初で、やっとその手続きがクローズしそうなステージに現在あります(本来は見直しを昨年末に全部終えたいところなのですが、この点は不肖のような小規模企業の悩みでもあります・・・<(_ _)>

正直コンサルティング業界でしかビジネスマン経験がない小生の場合、当業界では2つの考え方があるようです。

1)ベースアップは基本的にない。昇進等大きな職位職責の変更あって、はじめて給与が上がる(もちろん降格になれば下がる)。ベアゼロに不満があり直近の昇進の可能性もない人は、転職という手段で給与アップを狙うしかない。

2)毎年基本必ずベースアップがある。ただし大抵の場合職位が細分化されていて、毎年その職位が1つあがることでベースアップが果たされる仕組みであり、業績が悪ければ職位があがらずベアゼロ(もしくは微増)、そしてすごい業績が悪いと判断された人は基本的に会社から追放されることもありえる。

その昔、後者のほうは「Up or Out」といって、多くのコンサルティング会社の基本とされていました(と小職は今でも理解しております)。

どちらがいいかどうかという話でもなくて、ですが、小生は後者のほうが文化的にはいいと思っています。ある程度重役になるとそうも言ってられないようなんですが、若手から中堅に至る人達は「Up or Outの方がベアゼロ(前者)よりは成果主義っぽくて納得できる」(或る元後輩達の言葉から引用)からいいと思っています。

しかし・・・

いずれにしてもベースアップをいくらにするか、これをハジくのは企業にとってとても難しい「戦略」です。個人的に痛感しています。

・・・さすがに弊社の内情を暴露することはできませんが、

まず、ちょっとだけ真面目にその算式を考えてみます(注1:実際を細かく解説するわけにもいかないため、かなり簡素化して解説していますので乱暴かもしれませんがご了承ください)

仮に単年度決算で前年度の利益を全て従業員に還元するとしましょう。

従業員あたり2400万円の売り上げがあり、そのうち120万円が税引後純利益として貢献であったとしましょう。これを均等還元するとしたら、毎月10万円のベースアップをしてあげればいいことになります。

しかし。これだと会社が成長できませんので、例として新しい従業員獲得の追加コスト確保のために半分をその投資のために拠出することにします。

結果、月5万円は平均ベースアップ額?ということができます。

ところで、従業員全員、業績評価は同等でしょうか?もちろん普通は違いますよね。

期待以上の人、期待通りの人、期待を少し下回った人、大きく裏切った人。たとえばこの4カテゴリで、比率が1:6:2:1だったとしましょう。そこから勘案して実際に各従業員がベースアップする金額に差をつけようとします(注2:役職による給与の差異も無視して簡素化しています)。すると、一例ですが、ベア額を「+15:+7.50:-10(万円)」とすることができます。

ただし、これだと結局大きく裏切った人には「会社を去れ」と等しいくらいに大幅ダウンを提示している可能性があります。この人材不足の折、簡単に従業員に能動的にお辞めいただくというのは賢い方策とは限りません。

以前、「辞めてもらうつらさ」というエントリを書きましたが、当人がなんらかの思いを抱いて転職してきた場合は、そう簡単に転職をすすめるわけにもいかないと思っています。

経営者側、管理者側にもいろいろ責任がありますから・・・

会社全体あるいは組織として目標の業績を達成したら、チームワークの勝利とみなして基本全員が褒賞の対象という考え方はあります。

しかし一方で、「信賞必罰」の意識も強い不肖業界においては特に、自分個人がいかに「差別化」されるかが大事に思う人も多いのではないか、と考えもします。

また一方でリテンション(離職防止)のため、そしてプロモーション(昇進)による昇給の考慮が必要です。

さらには、職位・職責で基本給与も異なりますし、弊社のような小規模企業だと配下の社員全員が自分以外の給与をお互いまったく知らなかったりします(もちろん理由があります)。

このようないろんなことを考慮して最終的に給与が決まるわけですが、・・・いずれにしても非常に「Sensitive」な検討テーマです。

これまでの体験上(就業して今年で18年目になります)も、これを十分に練って策定しなかった年(あるいはそのように思えた年)は離職率が高かった。

今年も、できるだけ、大事な仲間を失いたくない(大事な仲間にとって不満分子が仮にいればその話は別です)。がんばった仲間に相応の報いをしてあげたい。それでも企業として、不本意ながらもある決断に従わなければならないことに遭遇します(言い訳とのご指摘があれば深謝いたします)。

・・・書いているうちに、本テーマの「Sensitive」さ加減に、だんだん纏めが難しくなってきました(すみません)。今日は徒然なエントリになって申し訳ないです。

皆様、いろんな会社でいろんな職位、職責に就かれておられると思いますが、皆様の会社ではどのような考え方がなされているのでしょうか。

ブログでディスカッション誘致も変な話とは思いますが(失礼でしたらスミマセン)、少しでも意見交換させてもらえればまことに幸いです。もちろんご質問もできるだけ丁寧に回答させていただきます。

(後記)あくまで簡素化した「例」であり、弊社の実情とは異なりますのでご容赦ください。

TORAPAPA

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北添 裕己

北添 裕己

アクセンチュア、ヘッドストロングを経て現在、キタゾエアンドカンパニーで金融機関主体の経営・ITコンサルに従事、特にプロマネ領域にカリスマ的手腕を発揮

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