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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

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2007年2月22日の投稿

2007年2月23日 »

ある程度パワポを使いこなせる人には釈迦に説法になりますが、「これからがんばって覚えなきゃ」って人向けにはそこそこ仕えるテクニックというか目安を解説してみます。

ちなみに動機ですが、弊社も少し若めのコンサルタントを採用するようになりまして。

まだ学部卒、院卒の新入社員を受け入れるためには会社としての追加準備も必要なのですが、ひとまず社会人経験5年未満でも採用するルールに変更いたしました。

これにより、より若手で将来有望な方々へ門戸を開けるようになりました・・・

ここで、非常に現場では悩ましく思い始めているのが、基本的お作法のスタートレベルは当然下がるので、そのコーチングをより丁寧にしなければならなくなったのです。

これについては、まず現場ががんばってくれればいいし、小生も指導者の一人として、ちゃんと責任果たせるように頑張るつもりです。

その過程で、プレゼン資料を書く上でのお作法を纏めました。

完璧な網羅的仕上がりとまでは保障いたしかねますが、たとえば「設計書は十分書けると自信を持ってはいるが提案型プレゼン・エグゼクティブ向け報告プレゼンの書き方はこれからお勉強したい」というレベルの方々には、少なくともいくらかは参考になると思います。

よろしければ以降、読んでいただければと思います。

(なお、絵を十分に挿入することができないため、説明の迫力に欠けてしまいますが、実際現場でコーチングを受けたり独学する過程で「チェックリスト的に」少しでも活用いただけたらと思っております)

基礎の基礎」・・・覚えておくべきキーワード

lPPTはプレゼンツール≠ワープロ

l読めなきゃ/見えなきゃ意味がない

l背景とフォント色は対照的に

l文章が適当だと「絵」も際立たない

l図形も文章も左⇒右上⇒下が大原則

l中身が「データ」なチャートや図表の活用

l凝り過ぎ=自己陶酔=シラケるだけ

l心を込めて

l表現の基本パターン

文章だけで表現するのが第一の目標

l基本はアイテマイズ(箇条書き)。まず簡潔に言いたいことが纏められるのか、がチェックできる。 

lそして、スライドいっぱいに文字を書こう。たくさん書いてスライドいっぱいに作文できたら、きっとそのスライドに盛り込まれるメッセージの量は十分だということ。

lNarrative」な書きっぷりと「体言止め」をあまり混ぜないこと(単にカッコ悪い)。

次に読みやすいパラグラフ(段落構成)に改良する。

l「起承転結」に作文を区分けするのは基本中の基本だが、確かに、本当に有効!文章は読んですっきり頭に入る内容・構成が一番です。

lスライドレイアウトの分割は「2等分」から「4等分」程度にすること。細かく分割しすぎるとかえって迫力を失う。

l「矢羽・矢印」を使って、分割した各パートを読ませる・観せる順序を誘導しよう。それ以外の図形挿入はいったん後回し。この時点で読み手に、自然に「矢羽・矢印」に注目が集中させることができます。

lところで次のスライドにつなぐか、完結させるかは作戦が必要です。結論まで書けば読み手はそこで視線が止まるが、書かなければ結論を求めて次のスライドへ1枚めくることになる。実際のプレゼンテーションではこの工夫でリズムが決まるので注意。

lそして最後に、「下」へ&「右」へ読む資料になっているかチェックする。なっていれば読みやすい(合格デス!)が、なってなければ配置を変えること(本当は最初っからできるのが理想ではあります)。

フォントの使い方(一般論)

l「直接プロジェクタで観える」のは、おおむね24pt以上

l興味があれば、集中・凝視して18ptまでは読める

l印刷すると、14pt以上はデカイ(と思う読み手が多い)

lそこで大きな文字のプレゼン資料は「配布資料(2ページで1枚)」で印刷するとちょうどよい

l読み物と割り切ったら「限界は8pt

lはあまり凝ると興味が拡散するので注意。お勧めは黒字以外にあと2程度。

lむしろ、太字斜体、影付、下線付を使って強調する。

図形の使い方

l基本的に違和感のない基本図形:

l丸、四角、三角および矢印(ただし鋭角じゃないほうがよりソフト)、楕円、角が丸い四角、噴出し

lレイアウトが許せばできるだけ矢印の代わりに三角を使うと、よりソフトに読み手の注視位置を誘導できる。

lとはいっても、あまりに多数の種類の図形を使いすぎると、ごちゃごちゃしてわかりづらくなるので注意。例示として、概念的な絵であれば丸や三角も有効だが、言いたいファクトがはっきりしている具体的なメッセージの解説の場合は、四角の(若干数の)組み合わせのみで図形を構成してしまうほうがすっきりする。

実はタイトルとメッセージラインが「命」

lそのページでいいたいことをメッセージラインで簡潔に言い切ることができれば、80%は出来たも同然。

lとはいえ、「データ」は目立つ!数値化されたデータは必ず「眠ってしまった聞き手」を起こすほどの効果がある。

さらに、より「Strategic」な書き方の工夫・・・

lTREE」形式に「構造化してみせること」は極めて有効。 

lアニメーションの活用。実際のプレゼンテーションではかなりのアクセントになる。ただし凝り過ぎないように。ついつい楽しくなって凝り始めても、効果はほとんど変わらないですよ。

lなれてきたら、強調したいページのみ、あえて上述のルールを崩した形にしてみると、際立って注目を集めることもできます(一応、これはある程度慣れてからにしないとリスクもありますから要注意)。

なかなか文章では表現しづらいのですが、少しでも参考になればうれしいです・・・

「PPT_Training.zip」

(諸事情により現在はリンクを外させていただきましたが何卒ご容赦ください。2007年7月6日改訂)

TORAPAPA

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北添 裕己

北添 裕己

アクセンチュア、ヘッドストロングを経て現在、キタゾエアンドカンパニーで金融機関主体の経営・ITコンサルに従事、特にプロマネ領域にカリスマ的手腕を発揮

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