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IT、特にコンサルに携わる方々を癒すメッセージを、ついでに趣味のダーツ話も交えて・・

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2007年2月11日の投稿

2007年2月12日 »

先日のエントリで紹介した通り、営業活動の基本知識について、キーワード別にその内容についてより詳細に解説をしています。

「お金は『妥協』せず『妥結』すること」

     「よし、獲れそうだ!」と感じてきたら、最後の詰めというか、一番のハードルが大抵「お金」です。ま、当然できるだけお客様は安くして欲しい。こっちはできるだけ値下げしたくない。ただ、・・・抽象的に大原則を申し上げます。お金は絶対に「妥協」せず、「妥結」をしましょう。

     「妥協」とは、不肖の定義、例えばスコープも変えずに値下げに応じることです。要員等の「調達」にも支障が出ます。あえて例外をあげれば、新規案件で後続も見込めるので等の理由で「特別出精値引き」するくらいです。これは会社として利益低下のリスクを許容する意味です。これなら、まあいいでしょう。いずれにしても「妥協」した価格は以降「取引標準価格」となるリスク大です。とにかく妥協はやめましょう。

     「妥結」とは、スコープ変更、期間その他の契約条件変更、等のいわゆる「barter」をした上で納得して値下げすることです。時々ベンダーさんが「値下げしてもいいですけど調達要員の質が落ちますよ」と言うときに遭遇しますが、これを呑むのかどうか、お客様判断であるとともに、そのベンダーさんもあとで成功を果たせなかったときの「ブランド」リスクも検討して受注しなければなりません。あんまり良い交渉の流れじゃないですね。双方で「財布にないお金」分は「取引」することで「妥結」するのです。

     「お金をケチったから(言葉が汚くてスミマセン)失敗した」と反省会で聞いたことは正直少ないです。もちろんゼロとはいいませんが、結局プロジェクトを始めてみたら、現場はその予算範囲で精一杯の努力をします。その結果不幸に終わってもそのせいには心情的にしたくないのが人間というもの。いいたいときには口にしてもいいです。でも受発注前にそんなことを口にする可能性が大きくなる予感がするのなら、取引の是非をかけて「妥結」交渉をしていただきたい。

     小生の業界はコンサルタント個々人で単価が設定されていることもあります。「その仕事を誰々がやるからいくら」というロジックになることがあります。その分妥結が難しいです。総額にもよりますが、でも、やはり、下手に妥結した(=妥協に近い)案件ほどCSが高くないようです。「ご希望の品に予算があわないんですよね・・・」「では・・・これなら予算の範囲でおおむねご希望を観たしますがどうでしょうか」「そうですね、それにしましょうか」「その後・・・いかがでしたか?」「うーん、こんなもんなんでしょうかね・・・」まあ、そんな感じです。商取引としては、できる限りこういう経験は減らしていきたい限りです。

TORAPAPA

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北添 裕己

北添 裕己

アクセンチュア、ヘッドストロングを経て現在、キタゾエアンドカンパニーで金融機関主体の経営・ITコンサルに従事、特にプロマネ領域にカリスマ的手腕を発揮

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