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今秋、BDの翻訳版の刊行予定が目白押しなのだ。
原正人さんに調べてもらったら、こんなにある。

シルヴァン・ショメ&ニコラ・ド・クレシー『レオン・ラ・カム』 エンターブレイン、918

 『天空のビバンドム』『サルヴァトール』などのニコラ・ド・クレシーが、また出る! こんどはどんな画風なんだろう。

☆ヴィンシュルス『デス・クラブへようこそ』小学館集英社プロダクション、927日刊

 おお、あの邪悪でユーモラスな『ピノキオ』のビンシュルスも!

☆アレハンドロ・ホドロフスキー&フアン・ヒメネス『メタ・バロンの一族』(下)小学館集英社プロダクション、927日刊

 このブログでも紹介した『メタ・バロンの一族』完結編! これも面白そうだなあ。

☆セルジュ・ル・タンドル&レジス・ロワゼル『時の鳥を求めて』飛鳥新社、10月半ば以降

  「ユーロ・マンガ」Vol.7「追悼 メビウス特集」に紹介されていた作品。ロワゼルは初紹介かな。

☆ブノワ・ペータース&フランソワ・スクイテン『闇の国々』2、小学館集英社プロダクション、1030

 うおお、第二巻がまさか出るとは! メビウスですらほとんど翻訳を読めなかった少し前には考えられない状況になってますねえ。嬉しいかぎり。作者のお二人は、11月に来日され、僕も学習院で講演会、トークショーを開くので、これは必読。1巻については、ブログでも触れてます。

 じつは、11月に、ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテンのほか、レジス・ロワゼル、エマニュエル・ルパージュという、BDアーティストたち(ブノワ・ペータースは脚本家、評論家ですが)がセーノで来日し、東京、京都、鳥取、福岡などでイベントがあるんですな。僕もからんでます。これらのイベント・スケジュールも、近いうちに発表します。

 エマニュエル・ルパージュは、すでに4月に『ムチャチョある少年の革命』(大西愛子訳、飛鳥新社)という翻訳が出ています。

 2011年10月以降の海外コミックのリストがあるサイト。いやあ、すごいなあ。
http://1000planches.org/2012/08/gaiman_list/

 問題は、ここに紹介した本を全部買うと15000円は軽く超えるだろうということだけど、これを高いと感じるか、むしろ安いと感じるかは、BDを知ってるかどうかってことにもなるかな。あの色彩、内容の重量感(日本のマンガの長編を読むくらいの、あるいは長編小説を読みこむような質量があったりする)からすれば、しょうがないかなと僕は思うが、一般の日本マンガ読者にはそう思えないかもしれない。日本のマンガって、同じ日本の一般書籍に比べても安いから、習慣的にそう感じるんだよね。BDは、向こうでも大体2~3千円くらいするんじゃないかな。

 それでも、これだけ刊行されるってことは、少しずつ市場が開拓されているのかもしれない。何とか定着してくれるといいな。

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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