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映画『1911』 2012/06/17

「ジャッキー・チェン映画出演百本記念作品」とあるが、ホントは当然「辛亥革命百年記念作品」というべきですね。なかなか見ごたえがありました。大昔に学んだ辛亥革命の記憶がおぼろげに蘇り、本でおぼえた名前が色々出てきて、歴史好き的な目線で観てました。
ジャッキー・チェンは、中国同盟会で孫文とともに清朝打倒(映画では朝廷打倒、共和制樹立が強調されたが、清朝は漢民族にとって異民族支配で、漢民族の民族主義的復興運動でもあった。この視点は現在の中国政府にとってマズいのかも)を目指し、広州蜂起を指導(映画では総指揮だが副指揮官だったような)。清朝との戦いでも革命軍を指揮した黄興の役。当然ながらカンフーはしません。・・・・といいたいのですが、一箇所だけ、孫文暗殺を試みる連中の中に踊りこんで複数の敵をなぎ倒す場面が。黄興、カンフーやってたんだー(笑)。辛亥革命まで、この人は秘密結社的な地下運動をし、やがて孫文と合流するのだが、そういう意味では中国武術と秘密結社は結びつく。孫文の文人系と比べると、たしかに武人系の感じだし。とはいえ、やっぱジャッキー・チェンのファン向けサービスでしょうけどね。
黄興は、繰り返し繰り返し蜂起し、蜂起を計画し、何度も何度も失敗し、敗北し続けた人で、あきらめない志の人ということでは、たしかに凄い。あと、袁世凱の役もなかなか面白い。この人も、政治家、軍人としては、たしかに食えない人物で、人間としては複雑で面白いが、役者もよかった。孫文は、無欲無私な人物として描かれるが、たしかに理想主義的な人で、その意味では人間ドラマ的には奥行きがいまいちかも。

http://1911-movie.jp/

natsume

グラント・モリソン脚本、フランク・クワイトリー画『WE3(ウィースリー)』(小学館集英社プロダクション)。これ、なかなか面白いです。人間を戦場に送るリスク解消のため開発された、動物を武器に変える「バイオーグ」(バイオ+サイボーグ)の試作品になった犬、猫、ウサギのお話。
コマの使い方が面白くて、監視カメラ映像を細かく分節して並べ、状況を描写したり、コマを横並びの屏風みたいに立てて、アクション場面を分節したり、画面的に楽しめる。ハリウッドで映画化されそうな印象もあるが、随所に血しぶきが飛んで内臓がえぐられたりする場面があって、カラーなのでややグロといえば、グロかな。
このテーマって、『猿の惑星 創世記』にも通じるような。

http://www.blister.jp/item22034.html

追記
そういえば、手塚『W3(ワンダースリー)』ってのがありましたなあ。
馬、兎、鴨でしたが。

natsume

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夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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