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修士生二人と弥生美術館で待ち合わせ、「伝説の劇画師 植木金矢展 ~痛快!僕たちのチャンバラ時代活劇」と、その後六本木ヒルスに移動して「国芳展」を観た。

弥生美の「植木金矢展」は素晴らしかった。ここは、こじんまりした美術館ながら企画力があり、とても充実した展示がある。植木金矢は、名前は聞いたことがある、という程度の認識だったのだが、いや凄い人だ。戦後、GHQの規制が緩み、時代劇ブームが訪れた50年代から挿絵、絵物語で活躍を始め、とくにチャンバラ映画の俳優をそっくりに似せて描く絵物語が素晴らしく楽しい。ところが、50年代末には絵物語は衰退。児童雑誌はマンガ雑誌に変貌するが、植木は絵物語の挿絵的な絵柄でマンガを描き、さらに芳文社との関係から、週刊漫画タイムスで青年向けの「劇画」に挑み、次第に本当に絵柄を変えて「劇画」的な絵を描いてゆく。その過程で、平野仁を模倣したと思われるような顔や女体の線を見つけた。その結果、たしかにマンガの線や絵にはなるのだが、絵の格としては落ちるような、奇妙な印象を受ける。

小規模な展示ではあるが、この展示をじっくり観てゆくと、挿絵→絵物語→ストーリーマンガ→劇画という流れを、具体的に一人の作家を眺めつつ実感できる。いい展示だと思う。マンガ論関係の研究者はぜひ一度見に行くことをオススメします。現在もなお創作を続けている作家だとそうで、ご本人のギャラリートークもあるようだ。本当に絵が好きなんだなあ、とつくづく感じる。それにしても、これがまったくの独学で学んだ絵とは、ちょっと驚きだ。

国芳展は、過去に何度も観ているので、おおよそ知っているが、やっぱり面白い。ホントにヘンな人だね。猫、かわいい。

natsume

日刊ゲンダイに、短い取材記事が7日に載ります。
本についてで、欧州の巨大温室についての本を紹介します。

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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