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「THE MANZAI 2011」面白かった。大体こういう番組は間につめこむ余計なものが多すぎるので、録画で飛ばしながら観る。そうすると観たいところだけ観られるので、集中できる。

出演者もいっていたが、B枠が甲乙つけがたいところで、たしかにもったいなかった。
でも、HiHIというコンビは、勢いがあったよかった。テンダラーもよかったけど。
スリムクラブは好きなんだけど、彼らの間にとって4分の制限は、立ち技の時間でグラウンドに持ち込まねばならないようなハンデを感じたなあ。でも「宗教」出たときはゲラゲラ笑った。

ナイツが好きなので、ちょっと応援していたのだが、二回目はやや落ちたかなと思っていた。ところが後半、危ないネタをどんどん放り込んできて、これは凄かった。もし、彼らが番組を取れて、ほんとに彼らの先輩たち、関東の漫才連が出てきたら、それはそれで楽しみだったんだけど。

面白かったのは、視聴者が携帯で「笑い」を送信するシステムによるグラフ。これを、漫才の再生と同時に観られたのは、じつに興味深かった。漫才の面白さって、もちろん「笑い」が起きた頻度だけではないと思うが、どんなタイミングで笑いが起こり、どうやって引いていき、次の笑いとのタイミングでどんな変化が起こるのか、リアルに視認できる。

このグラフでわかるのは、「繰り返し」と「笑い」の関係、「笑い」が引いた「間」の次につながる重要さ、ラストで立て続けに「笑い」の頻度が上がってゆくことが、最終的な印象を形成するという点である。「繰り返し」というのは、おそらくマンガでも映画でも落語でも通じる要素だが、立て続けに同じフレーズなりを変奏して重ね、テンションを上げていくことで、映画なら最後の15分でもいい部分だろう。

最後の部分のテンションは、本の作り方でも、講演でも同じだが、結局全体の印象を決める。同じ量の「笑い」、面白さ、感動でも、最後に尻すぼみだと、印象が落ちる。全体が今イチな感じになってしまうのだ。なので、むしろその前は静かな平原があったほうが効果的だったりもする。4分の漫才なりの構成でいえば、この平原状態をあまり作れないだろうが、ベテランを感じさせるコンビにはそれがあった気がする。安定感を感じるのは、そのあたりだろう。

結局、優勝はパンクブーブだったが、僕はHiHIの新鮮さに行くかなと予想していた。あるいは安定感のナイツだといいなとか。でも、たしかに番組を作る場合のキャラを考えると、こうなるのかもしれない。

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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