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台風 2011/09/21

ひさびさに関東直撃。みなさん、大丈夫でしょうか?

昼前、雨のやんだ隙にちょこっと公園で練習し、雨の少ないうちに仕事場に。
ビル二階の窓からものすごい風雨を眺めながら昼食。信号機が相当揺れていた。
少しやんだところで仕事場に帰り、学習院生涯学習センター講義の準備に入る。

バンブーガムランやR&Bなどをかけつつ、夕方仕事佳境。すごい風雨の音の中で、ガコーンという音がどこかから聞こえ、遠くで人の声も。どうやら何か吹き飛んだみたいだな、と思いつつ、仕事のメドついたのが7時半頃。
外に出たら、すでに雨はやみ、でも、外装工事中の仕事場マンションの足場が5~7階あたりから半分折れて、前の道の電線に落ちていた。
遠くの音じゃなかったんだ。びっくりした。

おまわりさんの話では、あちこちで同じような事故があって大変らしい。これからトビの人が上がって直すというが、一体この強風の中、どうやって直すんだろう。電線はやばいよな。
その後、二国に出ると、高速から延々と渋滞。商店街の中華で夕食中、TVでJR、地下鉄、私鉄、ほとんど止まっていたのを知る。うわー、大変な目に会ってる人が多そうだ。
上流の雨で、下流の増水は、今後も注意が必要と報道していた。家族に安否のメールを送る。

これだけの台風なのに、僕自身はほとんど雨にも降られず一日過ごした。何か不思議。

natsume

今日公園で 2011/09/21

例によって八卦掌の熊形走圏練習を始めたら、中年男性が話しかけてきた。
「何かの鍛錬ですか?」
なので、「太極拳とは違いますが、八卦掌という中国武術の基礎訓練です」とお答えした。
すると、「それは使えるんですか?」と聞かれた。まあ、よくある質問ではある。

その男性は「どこかで習えるんですか?」と聞いてきたので、あるいは何かしら格闘技系を習いたいと思われているのかな、と思い、ふつう見つかる太極拳などの中国武術を教えているところでも八卦掌を教えているし、僕が以前孫式太極拳を習っていた教室でもやっていたこと。でも、僕がやっているのは、馬貴八卦掌といって、かなり異なっていて、今のところ、僕が習っている中国の先生しか日本では教えていない、とお答えした。

「使える」かどうかを優先順位の上位に置いて聞いてくる人は、場合によって、他の格闘技などをやっていた人や、格闘技好きの人など、いろんな可能性がある。もちろん、「男の子」はいくつになっても、そういう発想だったりするんだけど。

いずれにせよ、うちではいきなり実践的な対戦方法を対人練習で教えたりはしない。もちろん李先生自身ガタイのいい経験者相手に使い方を示したりするが、それはあくまで「いかにして中正を守り、動ける体を作るか、その原理は何か」を示すためで、繰り返し「どうやって使うかを意識するな」とも注意される。

そこで「おそらく、使い方を知りたいと思ってこられるとがっかりなさると思います。うちは、体ができれば自然に使えるようになっちゃうよ、という教え方なので」とお答えした。やや曖昧な言い方だが、案の定、判然としない顔をしていた。ホントに「使える」格闘技を、とりあえず早く身に着けたかったら、それこそ空手とかのほうが納得できるんじゃないかと思うし、合気道や古武道でも対人練習をするので、そっちのほうが向いてるかも、とも思う。とまあ、それほど詳しい人でもなさそうだったので、ちょっと示唆しておきました。

ところで、僕は馬貴八卦掌を8年ほどやっている。では、僕はそれを「使える」のだろうか?
格闘技的な意味で「使える」のかどうかは、まったくわからない。何せ、そういう練習もしてないし、ケンカもしないので、試したことがないからだ。そもそも健康のために始めたわけで、健康にむちゃくちゃいいのは、最初の1年目から自分自身では証明されているし、その後も、これまで先生に予告されていたような身体変化と効果があらわれているので、疑う余地がない。向き不向きがあるし、僕の場合は、ということだけど。

ただ、一度、ばりばりの実戦派で、空手から中国武術、古武道など、さまざまな流派を学んできた先輩と、遊びで試していたとき、彼が驚いてしまうような技をかけてしまったことがある。力を抜いて、つかまれた腕で相手の腕と上半身を固めてしまう技なのだが、それが彼に見事にかかってしまったのだ。偶然もあるだろうが、しかし、力の抜き方と、体の中心で動く反射的な動きが、ある程度できていたのだと思う。でないと、いきなりアレはできないような気がする。

ところで、いくら健康志向でやっているといっても、練習して作っている体と動きが、いったい、どんな風に働くのかは知りたい。それを単純な発想でいえば「使えますか?」になるのは、よくわかる。僕の場合、昨年モダンダンスのワークショップを学習院でやったとき、自分の体が面白いように「踊り」として動くことの表現としての快感を経験した。カラオケで踊ったり、蹴りやジャンプをしても、狭い店の空間を把握して、どこかにぶつかったり、転んだりしないように動けることも、ある意味では「使える」ことの証明かもしれない(しかも酔っ払ってるし・笑)。

体の安定度、回転のコントロール、周囲の空間把握に関しては、多分、練習の成果だと思う。こないだ、TV見てて、手ぬぐいの両端を両手で握ったまま、背中に回して、前に戻すというのをモデルさんがやってて、まねしたらできた。もちろん若い頃は、もっとやわらかくて、背中で両手の平を合わせることもできたが、そこまでは無理。でも、柔軟もストレッチもしてないのに、このトシで軽くできたのは、ちょっと驚いた。自分で思う以上に肩甲骨のあたりが柔軟に維持されている、ということだろう。肩こりがなくなったのも、そういうことなんだろう。

そのうち、くだんの実戦派先輩がこられる自主練習のときなどに、もう少し現在の自分の体の働き方の可能性、どう「使える」かを、試してみたいと思う。それで理解を進めるってのも、あるかもしれないしね。

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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