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「漫棚」さんも紹介されてますが、今年はBDやアメコミなど、海外マンガの名作翻訳ラッシュで、ぜひとも読んでほしい作品が目白押しなのだった。
今回は、超絶の画力と色彩の見事さを、ついに日本語で話も読めることになったニコラ・ド・クレシーの2作。

『天空のビバンダム』原正人翻訳 飛鳥新社 2700円+税
http://www.asukashinsha.jp/s/crecy/

『氷河期』ルーブル美術館BDプロジェクト 大西愛子翻訳 小学館集英社プロダクション 3000円+税
http://www.bookservice.jp/bs/PSRPRO1101.do?doShouhinInit=book&ssc=1&sk=01&scn=I4796870806

『天空のビバンダム』は「ユーロマンガ」誌に連載されていたが、正直あの連載で読んでも一体何が何だかわからず、絵は凄いけどなあ、という印象だった。ところが、こうして一冊になって読んでみると、たしかにシュールな話なのだが、どんどん引き込まれていく。毎日少しずつ読み進めるのが楽しみな、質量感のある美的な体験。権力と「語り」を巡るすっとぼけた寓話。話とともに移り変わる絵の画法の変化は、日本のマンガでは得られない読書体験。赤と緑などの補色を使った表現は見事という他ない。いやあ、面白い。堪能しました。200ページ総カラーでこの値段は安い。何度も読み返したくなるね。
先日、パーティでお会いした小野耕世さんが「ユーロマンガ」はもちろんいい試みなんだけど、BDを読むっていうことではちょっと違うんだよね、とおっしゃっていたが、たしかにこの作品は全部通して読みたい。もっとも元のBDは3冊本なんだけど。

『氷河期』は、これまたすっ飛んだSFで、しかも最後まで読むといかにもすっとぼけている。やっぱり、この作家、只者じゃないよね。『天空』よりはるかに淡い色彩も素敵だ。一般的には、こちらのほうが入りやすいのかな。こっちの本がいいのはハードカバーなとこ。個人的にはド・クレシーの本はハードカバーで置いておきたいなあ。
ニコラ・ド・クレシーは前から絵が大好きでフランス語版を何冊か持っている。共通点は犬とか動物とかわけわかんない生物が可愛くて異様なとこ。以前「JAPON」という、日本とフランスの作家共作の本でも、キャラクターの原型みたいな生き物が可愛くて面白かった。

こちらも参考に。
「漫棚通信」
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-b0db.html

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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