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ことば 2010/06/24

「ことば」って何だろう。
学習院でゼミを3年やって、いちばん考えるのはこのことだ。
「ことば」は、ふつうに会話で使っているし、携帯メールなどで、日常的にやりとりしている。日本で育っていれば、日本語と呼ばれる言語を使って、お互いに「意味」や「心理状態」が伝わる。少なくともあるレベルで「意味」や「心理状態」が「ことば」によって共有されているからだ。
ただ、「お前、疲れてるよ」ということばには「相手が疲れている(そう見える)」という「意味」以外に、その場で行われる非言語的交流による「含意」がある。たとえば「少し休めよ」といういたわりの気持ちだったり「言ってることヘンだぜ」という注意だったり「いい加減黙れよ」という苛立ちだったりする。「ことば」は、日常的な場面で必ず「意味」以外の何かを、何らかの心理状態の交換として二重化していて、メールだとこの交換が不明確なために誤解を産んだりする。「ことば」にならない無言の、そして重要な伝達する何かが存在するのだ。

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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