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28日、午後7時から青山ブックセンター本店にて。雨のわりにお客さん来てた。
まずは、僕がタム君(ウィスット・ポンニミット)のマンガに出会った2001年のタイと、その頃調度刊行された「MANGA KATCH」(トゥモロー・コミックス)について触れ、デビュー作『hesheit』(ヒー・シー・イット)を紹介。タム君とのやりとり(日本語が凄くうまくなっていた)を交えつつ、現在「IKKI」連載中の『ブランコ』と比較。かなり過激でグロだったロックな線からの変化について話して、その場で絵を描いてもらった。最初に描いてもらったのは、子供の頃に影響された日本マンガ。『ドラゴンボール』の悟空や『キャプ翼』など、好きなキャラを総出演させてマンガを描いていたと聞いて、僕も子供の頃同じことをしていたのを思い出し、マンガってやっぱりそういう媒体なんだなあと感心。
タム君のマンガは、日本では80年代からジャンルとして確立していた「へたうま」に入るが、じつはタム君自身はタイでデビューした98年も今も「へたうま」を知らなかった。もちろん、タイにそんなジャンルも、タム君のような種類のマンガもなかったという。子供の頃は、ちゃんと下書きをして描いたりしていたが、もっと早く自分のマンガを読みたいと思い、たまたま家にあった古い紙の束(茶色く変色した、新書版より縦の長い紙)が凄く気に入って、そこに下書きなしでマンガを描いた(この原画を持ってきていて、その場で見られたのはラッキーだった)。裏表に描いてマンガの本のようにした(日本でも子供がよくそういう描き方をする)。それが、そのまま拡大されて(縮小ではない)「KATCH」誌に載り、また元原稿と同サイズでタイで単行本化された。
タム君のデビュー作『hesheit』は、ナナロク社で一部が刊行された。今の『ブランコ』と違って、かなり過激でグロで残酷なところがあるが、にもかかわらず優しい印象を受ける。また、タイで刊行された単行本の紙質へのこだわりとか、雑誌版の縁に本のページの縁のコピーを印刷したり、基本的にアートな発想が強い。彼のアーティストとしてのテイストや、奇妙にわかる部分と全然わからない部分の混合ぶり、「へたうま」的な表現の自然発生など、日本で受けた理由を色々考えると、凄く興味深い。
でも、何よりも、子供の頃のマンガ体験を話してもらうと、驚くほど僕自身のそれと同じ部分があって、そこのところは時代と場所を越えて共通するなあ、と思った。タム君も楽しそうに当時のマンガを描いてくれた(ハインディカメラで描いているところをモニターに映していた)。
中央がタム君自身が子供の頃作ったキャラクター。筋肉マンや『北斗の拳』に影響された。左隣は友達のアイデアでタム君が描いたキャラクター(「ジャンプ」誌で『筋肉マン』のキャラを読者募集して採用してたんだよといったら、凄く喜んでいた)。
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>6/1(月)19:00~19:55[BSハイビジョン]で、
「ハチワンダイバー」の回の再放送をすることになりました。
・・・・だそうです。お知らせまで。
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