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『孫が読む漱石』を新潮文庫にするため、初校を持ち歩いて校正していた。編集者が物凄く気合を入れてくれて、疑問点、修正点が山のようにチェックされ書き込まれたゲラで、100ページごとの束になっている。その2束目、100~199p分を、18日の最後の講義のときに、キャリーバッグの外側に差し込んで移動していた。すでに3分の1ほど赤入れしてあった。現代マンガ学と暴力論のパネルディスカッション、二つ講義を終えて、6時過ぎに学生たちと目白駅構内でお茶。
午後7時少し前、バッキーズ最後の練習に茗荷谷に向かう途中、池袋駅で山手線から下りるときに、ゲラがないことに気づいた。あわてて、そのまま目白に戻り、今きた経路を逆にたどり、構内の店、駅の改札、駅前の交番、学習院の門の警備員にそれぞれ聞いたが、なし。
翌日、学習院で遺失物を集めるという学生部に電話し、僕の研究室のある仏文科事務室にも聞いたが、やはり届けなし。しかたなく、編集部にメールで報告。コピーをとっていないと聞いて、さらにマズイ事態になったことを知る。今日、一応JRで遺失物の届けを出しておいた。やれることはやっておかないと・・・・。
できれば年内に、と移動しながら仕事をしたのが裏目に出た。今からその部分を打ち出したとしても、校閲に回し、再び担当のチェックを入れるのは、時間的に無理だろう。その部分、できるかぎり僕が直すしないかもしれない。

というわけで、ワラにもすがるとはこのことですが、18日の午後、学習院にいた人、7時前後に目白駅あたりにいた人で、何か心当たりの人は、ぜひとも学習院の仏文科に届けてください(泣)。封筒などはなく、むきだしのゲラです。・・・・って、ムリだよなあ、わかってるけどさあ。

編集さん、新潮社には、まことに申し訳ない。ライター長くやってて何十冊も本出してて、多分こんな失態は初めてである。参った。

追記
見つかりました! ついさっき、学習院大学仏文科よりメールで「正門に届けがある」との知らせがありました。
うわああ、助かったあ! いやはや、お騒がせして、すいませんでした。
みなさま、ご心配おかけしました(泣)。

natsume

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夏目 房之介

夏目 房之介

72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。

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