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マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

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2010年5月9日の投稿

2010年5月10日 »

前回の続きです。

 

「プレゼンで大切なこと」とは何でしょうか?

ここで、私の体験をご紹介したいと思います。

随分前にブログでこちらで書いている内容ではありますが、今回はこの中から、特にプレゼンに関する部分に絞って紹介します。

 

2002年から2004年にかけて、私は勤務先であるIBMで、IBM認定プロフェッショナル(ICP) マーケティング・マネージャーの試験にチャレンジしました。

合格すると部長相当職になる試験です。

当時、日本IBMはIBMアジアパシフィック(IBM-AP)の傘下でした。そこで試験はIBM-AP主催で行われました。

試験内容は、ハーバード・ビジネススクールのケーススタディ(30ページ程度の英語)が試験の1週間前に渡され、3時間の試験時間内で、自分が作ったマーケティング戦略に基づいて、事業部長からの想定質問に英語で回答文書を作成する、というものです。(これに合格すると、さらに2つの面接試験が待っています)

与えられたケーススタディの事業に対する包括的なマーケティング戦略+個別戦略(製品・チャネル・プロモーション・価格)を持っていないと、対応できない試験です。

2002年と2003年、私は2年間続けて不合格でした。

他の多くの日本IBMの社員も不合格でした。合格率10%くらいでしょうか?

しかし、他のAP各国(中国、台湾、オーストラリア、韓国、ASEAN等)の合格率は50%近いのです。

 

最初は、英語力の問題だと思いました。

しかし、違いました。

 

2004年に3度目のチャレンジをする直前に、不合格答案と、合格答案を見比べる機会がありました。

一見して分ったことは、以下のことでした。

日本の答案は図を多用し、細部まで凝ったプランになっていました。

一方、多くのAP各国の答案は、文字主体で、簡潔で、当たり前の前提と結論でした。

最初は、日本の答案の方が手間がかかっているのに、なぜ日本に不合格が多く、AP各国に合格が多いのか、理解できませんでした。

 

しかし、読み進めていくうちに、理由が分りました。

日本の多くの答案は、すくなくとも答案を読む限りは、柱となる戦略が不明確でした。

製品戦略、プロモーション戦略、チャネル戦略、価格戦略も凝ったものが多いのですが、柱となる戦略との関連性が不明確でした。言い換えれば、個別最適で技に走っていて、全体のメッセージが不明確でした。

一方で、AP各国の答案は、論旨が明確で簡潔なだけに、柱となる戦略も明確であり、かつ、その柱となる戦略から製品戦略、プロモーション戦略、チャネル戦略、価格戦略への展開も簡潔でした。言い換えれば、全体のメッセージが明確なのです。

日本IBMのマーケティングマネージャーの実力は、AP各国のIBMのマーケティングマネージャーと比べても、決して見劣りしていません。むしろ日本の方が実力者が多いのです。

恐らく、日本の答案は、それなりに深い戦略感を持って作られているのですが、その深い戦略感をそのまま答案に表現しようとしており、分りやすい形で簡潔に表現されていない、ということなのかもしれません。

実はしっかりとした考えがあるのに、それが相手に伝わらなければ、意味がありません。

それが合格率10%という数字にあらわれたということです。

 

私が2003年に受けた試験は、審査員3名中2名が「合格」を出したものの、1名が「不可」を出したため、不合格になったことも分りました。この「不可」を出したIBMシンガポールの審査員が書いたコメントも見ることができました。

「簡潔にまとめる力がない」

「複雑な状況に対して、数少ない要素(パラメータ)を抽出・定義し、戦略を立てる力がない」

最初は分らなかったこの二つの短い言葉の意味も、膨大な答案を見比べた結果、よく分りました。

彼が「不可」を出してくれなければ、このことが分らなかったでしょう。

今では、彼が「不可」を出してくれたことに感謝しています。

 

英語の問題ではなく、複雑な状況をシンプルにして伝える、というコミュニケーション力の問題だったということです。

つまり、大切なのは、

相手を考え、論理的で、分かりやすく、伝わるか?

ということだったのです。

 

このことを身をもって理解できたおかげで、私は2004年にこの試験に合格し、IBM認定プロフェッショナル(ICP)マーケティング・マネージャーになりました。

その後、日本IBMマーケティングチームも対策を立てることができ、日本IBMの合格率はAP各国と同等になりました。

 

ここで学んだのは、

プレゼンで大切なのは、「相手を理解し、役立ちたい」という、気持ちである

ということです。

つまり、相手の立場をよく理解し、相手が知りたい内容を、相手が分るような形で提供する、ということです。

考えてみたら、当り前のことですね。

せっかく本当はいい内容なのに、プレゼンで相手に伝わらなければ、プレゼンの意味がありません。

もったいないことですね。

 

では、「相手を考え、論理的で、分かりやすく、伝える」ためには、実際のプレゼンの準備作業はどのように進めればよいのでしょうか?

これについては、次回にしたいと思います。

nagai

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永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

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