異なる視点の本を読み比べることで、読書から得られるものはより深まる (セブン・イレブンとローソンを例に)
読書で素晴らしい本に出会うことは、幸せなことです。
たとえば田中陽著「セブン・イレブン 終わりなき革新」という本。
下記エントリーでもご紹介した通り、セブン・イレブンの素晴らしい経営を理解できる名著です。
■田中陽著「セブン・イレブン 終わりなき革新」は、真の顧客中心主義とは何かを教えてくれる
■セブンイレブンはなぜ自動発注をしないのか?...田中陽著「セブン・イレブン 終わりなき革新」
しかしこれが唯一解ではありません。
コンビニエンスストア業界の雄・ローソンの経営を描いた池田信太朗著「個を動かす」は、まったく別の視点を提供してくれます。
このコンビニ業界について書かれた2冊に基づいて、両社を比較してみると、
■「ゼロからの出発」だったセブンに対して、「マイナスからの出発」だったローソン
■「単品管理・ドミナント戦略の追求」を図るセブンに対して、「多様化の追求」を図るローソン
■「徹底した中央集権」を図るセブンに対して、「徹底した権限委譲」を図るローソン
しかし「顧客中心主義の徹底追求」と「事実に基づく、仮説検証の徹底実践」という考え方は同じです。
この2冊を読み比べてみて、私は下記を学びました。
■解は、一つではない。模索し続ける
■解に、王道はない。愚直に継続
■ヒントは本社にない。お客様と接する現場にある
■しかしあくまでヒント。徹底的に考えなければならない
■考えた結果が、正しいとは限らない
■だから事実に基づいた、あくなき仮説検証の徹底
そして、「社員も、管理職も、経営者も、等しく義務を負っている」
同じテーマについて異なる視点の2冊を読み比べて異なる点と共通点について考えていくことで、読書から得られるものはより深まると思います。