永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2009年12月8日

2009年12月9日の投稿

2009年12月10日 »

「顧客のことを真剣に考えること」は、必ずしも「顧客の言いなりになること」ではありません。

しかし「お客様は神様」という意識が強い日本では、顧客対応が過剰品質になり、顧客に十分な価値を提供できず、過当競争に陥り、低収益にあえぐケースも見受けられます。

 

「朝のカフェで鍛える実戦的マーケティング力」では、3-1章で、主人公・宮前久美が勤務するA社が、顧客から値引きや個別要件対応を求められて苦戦する中、顧客のいいなりにならずしかも価格が高いライバルX社に、競合案件で負ける場面を描きました。

ご参考までに、ご興味ある方は本書を買わなくても、抜粋記事をここでご覧になれます。

 

顧客目線で徹底的に考え抜くX社を「顧客中心主義」、顧客が言ったことにすべて対応しようとするA社を「近視眼的顧客対応」と区別するのは簡単です。

しかし、実際にビジネスの現場にいると、自分が行っている対応はどちらなのか、認識するのがなかなか難しいのが現実なのではないでしょうか?

 

X社のように高い価値を提供している企業の実例として、2年半前に当ブログの記事『ソリューションのキモは「問題は解決を待っている!!」という視点』で書いた、前川製作所があります。

ある鶏肉加工場で作業員が手作業で鶏のモモ肉の骨をはずしていました。

鶏肉加工業者は、「この業界では昔から手で骨を取り出すことになっている。それ以外の方法があるのではと考えること自体がばかげている」と思っていました。

これを見た前川製作所の社員は、苦労の末、自動脱骨機を開発しました。

鶏肉加工業者に見せたところ、一目でその価値が理解されて、その便利さに飛びつきました。

「自動で脱骨する」というニーズはあったのに、顧客自身は気がついていないということですね。

 

もちろん、ご自身の課題をしっかり分析し、解決策を正確に把握している顧客もいます。このような場合は、顧客からいただく要望を解決することで、大きな価値を提供することができます。

しかし一方で、顧客が自身の課題を十分に把握していないケースもあります。多くの場合は、自分達が問題を感じていないので、あえてそこまで把握していないことも多いように思います。

このような場合、顧客自身が気がついていない課題を掘り起こせるかどうかが、「顧客中心主義」を実現できるか、「近視眼的顧客対応」に終始するかの分かれ目です。

そのためには、「課題掘り起し力」と「課題解決力」が必要になるのでしょう。

前者は、顧客を理解する力、後者は自分達が持っている製品やサービスに基づいたスキルがベースになると思います。

nagai

« 2009年12月8日

2009年12月9日の投稿

2009年12月10日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ