永井孝尚のMM21:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 永井孝尚のMM21

マーケティングとは? グローバル化とは? ライフワークとは? 一緒に考えてみましょう

« 2008年5月28日

2008年5月29日の投稿

2008年6月2日 »

まだ私が20代の頃の話です。

その後、日本IBMの専務まで昇進した後に退任され、現在あるグローバル企業のCEOを勤められている方がまだ部長だった頃に、カバン持ちで米国出張のお供をしました。

当時、IBM-Americaの傘下には、各製品開発事業部がありました。

この部長は、IBM-Americaの責任者に、日本やアジアパシフィック側から本社の製品計画全般に関する要望を説明し、解決を依頼するために、プレゼンテーションをすることになっていました。

このIBM-Americaの責任者、当時のIBMではトップ5に入る大物です。

当然のことながら、資料作成には念には念を入れることになりました。週末、私は米国のオフィスに出て資料のチェックを行いました。

部長は、というと、一人で部屋にこもっています。

資料の内容確認があったので部屋に行くと、プレゼンの予行演習をしていました。

それも、プロジェクターに資料を映し、実際に立って、一言一言確認しながら行っています。

それを何時間も続けています。

いつも流暢な英語で抜群にうまいプレゼンを行う方でしたが、この達人レベルにして、このようにプレゼンのためには周到に努力を重ねてベストなプレゼンを行うとされていることを改めて実感しました。

この方の足元にも全く及ばない私は、それ以降、プレゼンには準備を怠らないように心掛けるようになりました。

とは言え、自分なりに準備を万全に行ったからと言って、ベストなプレゼンが出来る訳ではありません。

実際、私自身もプレゼン後に、「あそこはああすればよかった」「こうすればよかった」と反省することばかりです。

しかし、万全な準備を行った上で反省するのと、十分に準備をせずに反省するのでは、その後の改善度合いが違うようにも思います。

北添さんもブログで、「大事なプレゼンは、事前に完璧に作文します。」とおっしゃっていますが、全く同感です。

こういうことをカッコ悪いという人がいるかもしれませんが、すべき準備をちゃんとしないで失敗する方がよほどカッコ悪いように思います。

一方で、こちらの記事のようなこともあります。以前、私は非常に体調が悪い状況で(しかも十分な準備もできずに)プレゼンを引き受けて惨憺たる結果になったことがあり、深く共感します。

やはりプレゼンを成功させるためには、精神的にも身体的にも安定した状態で臨むことが何よりも大切なのでしょうね。

nagai

« 2008年5月28日

2008年5月29日の投稿

2008年6月2日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

永井孝尚

永井孝尚

オフィス永井代表。 著書「100円のコーラを1000円で売る方法」シリーズ(中経出版)、他。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
mm21
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ