きょこ コーリング:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) きょこ コーリング

広報・マーケティングを中心に、ソーシャルメディアそしてアプリなど、マーケッターの関心事を綴ります♪

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「加藤さん、食わず嫌いかもしれないですから、よかったら」と、ある方から渡された新書。「キズナのマーケティング」。実はちょっと胡散臭い系かなと思い、敬遠してました・・・(すみません)結論から行くと食わず嫌いでした。お勧めできる本でした。

この本をツイッター本と位置付けてしまうのはちょっと違うかもしれませんが、Twitterを含むソーシャルメディアについて触れている本の中ではかなり良かったです。

既存広告を否定せず、ソーシャルメディアにはお金がかかることを説き(注:外部のブレーンにかかるお金や、広告と連動するためのお金など)、「ソーシャルメディア万歳」ととにかくツイッター利用を進める話ではなく、既存広告やメディアとの違いなども、事例や、情報の受け手の視点を盛り込みつつ、解説されています。

もしかしたら、内容が盛りだくさん過ぎるかなというくらい、重要なことがつまっています。私は本を折ながら読んでいくのですが折った箇所は36か所でした。

企業で、マーケをしている方や、ソーシャルメディアにすでに取り組んでいる人にとっては「この説明を引用させてもらうと、社内やクライアント先への理解も進みそうだ」と思われるうまい説明もちりばめられています。すでにわかっていて、同意できる、でも自分の中でうまく整理できていなかった、そんな内容も多く、読んで良かったと思いました。

オルタナブログの斉藤さんのブログで海外先進事例に触れ、この本で国内の取り組みや懸念事項を整理すれば、かなりソーシャルメディアとマーケティングに関するところを掴めるのではないかなと感じました。

少し気になった点は、視点が大企業対象だなというところ(中小企業だとまた別の小規模アプローチが可能)と、広告の視点で書かれているので、広報の視点で見ると、これまた別の解釈が可能かなという部分があった点です。

それから、対象読者には、マーケティングの基本知識が必要です。基本がわからない人には、抽象的な説明が出てきた時点で少し難しいと感じるかもしれません。新書なのに語り口はかるいものの内容が軽くないのですよね(一気に読んだら結構疲れると思います)

 

とはいえ、これを読んだ企業担当者がついったーを始めれば、ひどく炎上したり、滑ってしまったりということは防げるのではないかなと思いました。ちなみにツイッターの操作方法などはもちろん書いてありませんから、Twitterの機能やアプリなどを本で勉強したい人にとっては、別の本も必要になります。

ところで、先日渋谷の山下書店に行ったら、20冊を超えるTwitter関連の本とムックがずらっと並んでおり、圧倒されました。昨年でしたでしょうか?血液型本ブームやそうじ本ブームのときのように、とにかくいろんな出版社がこぞってついったーと銘打った本を出しており、玉石混交状態になっているようです。道具的な使い方の本や、有名人の体験談や大企業の事例など、それぞれの本の特徴を見て、合っているものを入手したいものです。

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プロフィール

加藤 恭子

加藤 恭子

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。
現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。目黒広報研究所で広報に関する情報発信を行っている。

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