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広報・マーケティングを中心に、ソーシャルメディアそしてアプリなど、マーケッターの関心事を綴ります♪

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会社・人によって、何を「マーケティング」と呼ぶのかの差が大きい気がします。違う業界・業種の方とお話しすると「市場調査」が「マーケティング」だと言われ、お勉強が好きな人と話すと「コトラー!」と一言返ってきたりして・・・。

実務の場だと、マーケティングという言葉は、売るための仕組みづくりや、営業が売りに行くための「見込み客」を見つけてくる方策を考えて実施する場になっていることが多い気がします。

(更に分類すると、製品の仕様を決めたり、価格を決めたりするのは「プロダクトマーケティング」で、見込み客との接点となる部分のメッセージやその伝え方を考えたりするのが「マーケティングコミュニケーション」という感じでしょうか?ちょっと乱暴なわけ方だったらすみません)

外資系企業の場合、この商品は日本では違う名称で、違うターゲットに売るとか決めたり(そして本社の承認を取って実施)するのもマーケティングの役割で、本社で決めた販売キャンペーンや、そのための道具(カタログ、プレゼンテーション、デモシナリオ)などをローカライズして実施するのもマーケティングの仕事になっています。

ちなみに、多くの外資系IT企業では、後者をうまくまわせる人が求められている印象を受けます。そして、日本企業も含めた、多くのIT関連企業の場合、実施したキャンペーンなどにより、創出したリードの数で評価をされたりすると思います(あくまでも経験ですが、他の効果測定の数字より、Lead Generationが重視されている印象です)

さて、本題です。

先日、マイミクでもある○○さんと、偶然同席したある懇親会で「○○さんの会社はマーケティングいりませんね」という話を私がしたのは、すでに今ある仕組みでそれなりに稼げている印象を受けた(=新たに、マーケティングと名づけた仕組みを導入せずとも、担当者を決めたり、外注しなくても、会社がうまく回っている)と感じたからなのです。マーケティング的な活動は不要ですよ、とか、いう意味ではなく、現在の仕組みの中で自然と行われて、回っているような気がしたのでした。

私が、「マーケティングが必要」「今のマーケティングの仕組みがうまく機能していなくて、改善が必要」と感じるのは以下のような場合です。あくまでも実務的な話ですが。

「売り上げが上がらない。商品は競合他社より優れてるはずなのだけど」

「コンペのときにまな板に上げてもらえていない。製品の存在自体が見込み客にアピールできていない」

などです。

ただ、単に経験のない人を一人置いても、回らないどころか返っておかしくなってしまう可能性があるので、「売り上げの上がらない営業をマーケ担当にしておいておこう」「派遣の人を雇おう」だと、ダメだと思います。

それをやってしまってよくあるのが、その人宛てに売り込みをかけてきた「展示会」「広告」などの話にのっかってしまい、「それをどう活かすか」を考えないままに、お金だけ使ってしまって「いいカモ」になってしまうケースです。素人マーケ担当をカモにする営業に関しては以前ブログで触れていますので、ご興味ある方はご参照ください。(印刷費だけでカタログ作りますとか、有名人との対談とか、売ってない雑誌の有料取材とか、典型的なパターンをご紹介しています)

お金をケチって人選をしてしまったために、かえって無駄な出費につながるので、担当者の人選を的確に行ったり、外部の専門家のアドバイスを仰ぐことをオススメしたいです。

ちなみにこれは、中堅・中小企業向けのお話で、大企業だとまた状況が違ってきます。

まだ、まとまりのないエントリですが、一旦アップします。

実はこの件、Twitterで話題に上がっていたのですが、到底140文字では答えられず、そこにマーケティングのご専門の大学教授なども登場していたので、ブログでの返答とさせていただきました。

きょこ

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プロフィール

加藤 恭子

加藤 恭子

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。
現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。目黒広報研究所で広報に関する情報発信を行っている。

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