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先般書いた、「記者を強烈に萎えさせるダメリリースの破壊力」という、ある編集長のエントリが人気の件
の続編として、こちらのエントリを書きたいと思います。

というのは、これを見て短絡的に、やはり記者のネタ元はプレスリリースだと、誤解したかのような意見があるのを見たからです。

私も仕事柄、いろいろな企業の方の話を伺うのですが「記事を増やすには、まずプレスリリースですよね」とか「プレスリリースを出したいんです」と、プレスリリースが最優先になってしまっていることが多い状況に出くわすことがあります。

でも、プレスリリースは記者の情報源の1つにしか過ぎません。

以下、いろいろな人にヒアリングしたり、見聞きした内容を挙げて見ます。

・久しぶりに日○新聞の記者から電話があり「最近何かないですか?」とリリースを出していないネタについて聞かれた

・ツイッターで流れてきたネタを元に記事を書いたということを、ある白金方面の記者がついったーでつぶやいていた

・残業をしていたら記者から電話があり、その場でネタを提供した

・偶然ある媒体に掲載されたら、多くの記者やテレビ関係者が見ていたようで、そこから多数の取材依頼が入った

・記者を訪問したときに、お話をした内容が記事のネタになっていった

・記者向けではないイベントに記者の方が来られていて、そこで情報収集をして、記事を書いていた。

世間では、「タダで記事を書いてもらおう、そのためにはプレスリリース(ニュースリリース)が重要」という情報があふれているために、手段がプレスリリースに偏ってしまっているように思います。そのため、記者側がその仕分け作業に追われているという現状があるように思います。

プレスリリースを記者に配信したり、自社媒体や提携媒体に掲載する仕組みのネットPR会社さんも、マトモな著名企業だけでなく、とにかく大量に関係のないリリースをばらまくところまで様々で、下手に送信先にされてしまうと、とにかく関係ないリリース(ある意味スパムでしかない)を山ほど送られてしまうという状況も起きています。ある編集長には「加藤さん、リリースが大量すぎて埋もれてしまうから、重要なネタのときは電話を頂戴」といわれました。

あるネット系の編集部は、プレスリリースから記事を起こす、いわゆる「リリース起こし」が記事の中心になっているそうで、そのような場合は「プレスリリース」は、記事にしていただくための最も重要な手段となるのですが、全部の編集部がそうではありません。前述のように、記者が取材先を捜したり、ネットや対面で幅広く情報収集をされているケースも多く見かけます。

プレスリリースも非常に大事ですが、「なんでもかんでもメールで送りつけるプレスリリース」という状況は避けたいものです。記事を書いていただけるようなネタをお渡しするのが目的で、その手段の一例がプレスリリースなのですよね。

私自身もリリースの受け手側を経て、今は送り手の側ですので、できるだけスパムにならないよう、お送りしたり、また時と場合に応じて、情報の出し方を変えていければと考えています。なかなか難しいですが。

きょこ

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プロフィール

加藤 恭子

加藤 恭子

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。
現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。目黒広報研究所で広報に関する情報発信を行っている。

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