きょこ コーリング:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) きょこ コーリング

広報・マーケティングを中心に、ソーシャルメディアそしてアプリなど、マーケッターの関心事を綴ります♪

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2009年10月19日 »

以前ケイレキ.jpというSNSについて書きましたが、イマイチ参加者が伸び悩んでいる印象をうけます。とはいえ、主催されている方はどんどん新しい機能を追加なさって頑張っている感じはするのですが、幾分からまわりしている印象で、残念ながら私も含めた、知人・友人はだんだんアクセスしなくなってしまいました。

そしてつい先日はメールが16通。ケイレキ内に、mixiやLinkedInのようにその人の推薦文を掲載する箇所があるのですが、まったく私に当てはまらない推薦文が、主催者の人によって登録されたことを通知するメールでした。いきなり大量のメールが来たので、スパムかとビックリしました。そして、そんな適当な推薦文が登録されてしまうと、実名SNSとしての役割を果たさないですよね・・・。もしかして、登録者を増やそうとして試行錯誤されているのが、裏目に出てしまっているのではないでしょうか。 まるで、北風と太陽の物語のように。

過去に3回くらい、ケイレキが登録者を伸ばせる大きなチャンスがあったように思います。

1回目:
これはスタート時です。登録方法が難しくて携帯電話認証が必要だったため(それなのに当時、携帯からの閲覧機能はなかった)、断念した知人が数人 いました。また、メディアで盛り上がったときに、1人の可能な招待数がかなり少なく限定されたいたため、メールが手に入らなかった人もたくさん回りにいました。じらし戦略でじらされすぎた印象を受けました。 ネット系に詳しい著名なコンサルタントさんもこの時点で断念されました。 今はもっと緩くなっていますが、その間にすっかり登録希望者の興味が薄れてしまったように思われます。古い例で恐縮ですが、並んでも買えなかったたまごっちが大量に出回ったときには皆の興味は他にうつっていたみたいな感じでしょうか。

2回目:
アーリーアダプターが使い始めたタイミングです。当初はセカンドライフ系の人が多かったケイレキですが、知り合いの知り合いなどが登録し、著名な上場企業の社長や、記者なども増えていきました。そしてそのタイミングで、いろいろな人がケイレキ上でオープンに質問を投げかけたのですが、残念ながら都合の悪い質問や厳しい意見が Ignoreされていました。ポジティブな意見には、中の人から積極的にコメントがつきました。

「返事してください、日本語わからないんですか?」と、あるマーケティング系の著名な社長さんなども呼びかけており、「こうなったらいいのに」的なアイディアを投げかけていたのですが、それらの若干きつめの質問や問いかけはまったく回答がされていませんでした。

そのタイミングで、興味を持ってい たオピニオンリーダー的な人は「あれ?なんか自分には絡んでくれないなあ」「結局中の人が自分のやりたいことをやってるだけ?」「なんか内輪でつるんでるだけ?全然返信がないのだけど」 と離れていったように思います。

皆さんがコメントを書かないため、トップページが中の人の個人的なコメントだけで埋め尽くされてしまいます。そこに、お知り合いと思われる人のこれまた内輪な返信がついていきます。

知らない人の個人的な情報だけが出ているサイトにアクセスする必要性が感じられず、なんだか、他人のマイミクの中に部外者の自分が混ざってしまったような居心地の悪さを覚え、私もだんだん見なくなりました。

このあたりで、「おもしろそうなモノ」に敏感な人が、さーっと引いた感じがありました。

3回目:
CUが終了を発表したタイミングです。目指す方向性が違うとはいえ、CU難民になる人に対して、魅力あるサービスを提案できたら、ケイレキへの登録も促せたように思います。まずCUに登録している時点でそのユーザーは、実名登録SNSには抵抗がない人ですから、登録もしやすかったのではないかと思います。CUから の移行では、非モテSNSの方がBUというのを作って、登録者にどんどんメールを送るなど、ゲリラ的なプロモーションを実施したのですが、ケイレキからは何もなかったように思いました。(決してゲリラ的がいいとは思いませんが)

それから、どうも中の人がSNSの中心になってしまっているような印象があります。たとえば、mixiだと、社長や開発者がキャラを前面に出して、っていうのはないですよね。主人公はあくまでも使い手であるわけで。

作り手が前面に出ると、「道具として使おう」という人ではなく「その人のファン、賛同する人、知り合い」がユーザーの中心になってしまうように思うのです。そう なるとどうしても内輪の集まりから抜け出せなくなってしまうような気がするのです。

ここまで書いて思ったことは、ブレーンみたいな人(会社)がついていないのじゃないかなということでした。どんなにおもしろいものも、使い手の気持ちが不在になってしまうと、おかしな方向に行ってしまうこともあると思うのです。おもしろいものを作ったときに、違う視点から物を見られる、誰かアドバイザみたいな人がついたら、大化けしそうな印象です。

今後どのような方向にいくのでしょうか。個人的には、当初ワクワクして登録しただけに、今後の展開に期待したいです。

きょこ

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プロフィール

加藤 恭子

加藤 恭子

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。
現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。目黒広報研究所で広報に関する情報発信を行っている。

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