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2007年12月10日 »

ある知人から聞いた話をちょっと脚色してますが。

ある会社のAという製品は、特定マーケットに強い商品(たとえば、食品業界、特にチーズを製造している製造業に強いERP+WMSのような感じ。あくまでもたとえ)です。もちろんERP+WMSというある程度広いジャンルの製品であるわけなのですが、他のERP+WMSと差別化をはかるために、「チーズに強いERP+WMS」と積極的にPRをしてきました。チーズは牛乳からできて、最終的には水分の抜け具合で重さも変わりますから、不定貫処理に対応とか、とにかく、「なぜチーズに強いのか」を広告で打ち出し、展示会で打ち出し、媒体にも複数寄稿し・・・と積極的な活動をしてきました。

そしてその結果、この分野ではかなり知られる存在になりました。

しかし、以下の問題が出てきました。

・チーズということで絞込みすぎた・・・単に食品といっておけばよかったのだが、絞込みすぎたせいで、マーケットが狭すぎた。しかも、足が長い。導入まで時間がかかるし手離れが悪い。

・営業が売りに行くと「オタクはチーズに強いんだよね、うちはチーズじゃないから他の、汎用的なものを検討してます」「うちは不定貫処理関係ないから」と言われ、競合他社と同じ土俵にあがれなくなってしまっている(ほとんどコンペにならない)

そして現在は自分たちで作った「チーズと言えばA」というイメージを打ち消すべく、新たなメッセージを浸透させようと必死になっているそうです。

注:実際に聞いた話はERP+WMSではなく、もちろんチーズとは何の関係もありません。意図的に、特定の製品や社名が推測できないようにしてあります。

そして、この会社さんが本当に自分で作ったメッセージを打ち消そうとしているかどうかはわかりませんが、私もそうですし、私の友人もこの商品は特定の狭い分野に圧倒的に強い商品だという認識を持っています。そういう意味ではこの会社のマーケティングは成功だったのでしょうか?それとも、マーケットサイズを読み違えた(狭いところに絞りすぎた)ということで失敗なのでしょうか?まだわかりませんが、ちょっと気になったお話でした。

きょこ

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プロフィール

加藤 恭子

加藤 恭子

IT記者を経て、ナスダック上場IT企業のマーケティング・PRマネジャーを歴任。
現在は、その経験を活かし、マーケティング・広報のコンサルティングを行う株式会社ビーコミの代表として活動。目黒広報研究所で広報に関する情報発信を行っている。

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