« 2008年3月31日

2008年4月1日の投稿

2008年4月2日 »

 今日は2008年4月1日。今日という良き日を選んで、ちょっとここで重大発表をする。このところ濱野さんとメールでいろいろとコラボレーションして議論を重ねていたのだが、ついにニコニコ学会の設立へこぎ着けたのでまずは速報をここに発表。

 以下、設立発起人一同で作成したニコニコ学会の設立趣意書と役員名簿である。会則や会費なども決まり次第ご報告差し上げたい。

 参考リンク:濱野さんからの発表

(2008/04/01 12:00追記)
#既に皆さんお気づきだとは思いますが、当エントリーはエイプリルーフールネタでございます。この企画の実施にあたりまして濱野さんとコラボレーションをさせていただきました。以下の設立趣意書のほとんどは濱野さんが書いてくださったものです。どうもありがとうございました。

===

設立趣意書

 現代社会に生きる私たちは、インターネットが、驚異的なスピードかつグローバルな規模で普及・発展する、激動の状況に置かれています。そして私たちはしばしばこの状況を、「グーテンベルク」以来の《革命》として捉えてきました。かつてメディア論の大家マーシャル・マクルーハンは、新しいメディア技術の出現によって大変革がもたらされる事態を、「銀河系 Galaxy」の比喩で表現しました。文字通り、インターネットの巨大さは「天文学的規模」に達しており、その全体像を捉えることは、私たち21世紀の人類社会が取り組むべき知的課題として立ちはだかっています。

 さてその一方で、いま私たちは、インターネットという大銀河の中に、とりわけ活発な動きを見せる「小銀河系」が生まれつつあるのを目の当たりにしています。それがニコニコ動画です。誕生から1年足らずというスピードで、瞬く間に数百万人規模の利用者数を集めたニコニコ動画。そこには、とりわけ日本のネット文化を愛好する数多くの紳士淑女たちが――その多くは「ニコ厨」と自らを呼称しています――集まっています。そしてそこには日々莫大な数の動画が投稿され、その上には、脊髄反射的なコメントから芸術的/職人技的なコメントまで、多種多様なコミュニケーションが重ねられています。そしてニコニコ動画という場は、時には「プロの犯行」などと称されるようなアマチュア・クリエイターたちが腕を磨き、自らの才能を世に問う「登竜門」でもあり、莫大な数の商品が購入されていく「市場」としての役割を果たしています。

 しかし、ニコニコ動画は実際問題として会員制のクローズド・サービスであり、いまだその内側で行われている素晴らしい文化的営為の数々が、多くの人々の間で十分に理解・共有されているとは言いがたい状況です。また現状では、ニコニコ動画上で行われる文化的創作活動が、従来の法制度ないしはコンテンツ経済圏と衝突するケースも数多く指摘されています。これはニコニコ動画に限ったことではありませんが、旧メディア圏と新メディア圏の間には、ともすると敵対的な境界線が引かれてしまうことも少なくありません。

 その両者の対立を解きほぐす、あるいは両者間の間の溝を埋めていくには、ニコニコ動画という「閉じられた銀河系」を、私たちの社会にとってより《開かれたもの》にする必要が――ユルゲン・ハーバーマスに倣えば、私たちはその来るべき理念的存在を「ニコニコ公共圏 NicoNico Public Sphere」と呼ぶべきかもしれませんが――あるでしょう。そのための知的探求と啓蒙活動の場所として、私たちは日本における学術的な「コメント付き動画」研究を行うための場として、「ニコニコ学会」(英語名:NicoNico Japan)を設立することを決意しました。

 NicoNico JAPANは、いうなればニコニコ動画という存在に学術的な「コメント」を付与する学術者・研究者の集まりとして、ニコニコ動画に関する学術、技術の進歩発展と普及啓蒙を図り、会員相互間および関連学協会との連絡の場としての役割を果たしていきます。また、混迷を極める著作権関連の法律のあり方についても、「その発想はなかった」と称されるような提言をまとめていきたいと考えています。

 また国際的な見地から見ても、ニコニコ動画の学術的な研究を推進することは有意義であると私たちは考えます。ニコニコ動画というサービスの特異性は、世界的にも稀に見るものです。それは、日本で考え出され、日本で生まれ、日本で育った、新しいコンテンツの享受形態であり、新しいコミュニケーション形態といって差し支えないでしょう。このような日本初の新しいコンセプトやアーキテクチャについての言説を、海外に向けて発信していくことは、日本のクリエイティブ産業やコンテンツ文化をより豊穣なものにしてくれるのではないかと考えます。

 今後NicoNico JAPANは、学会誌の発行、例会・研究会の開催、ニュースレターやウェブ上での情報の発信を行う予定です。また、学会の模様はニコニコ動画上で公開され、動画上で討議を行うことも予定しております。

 さらに来たる2008年秋、ニコニコ学会「NicoNico Japan 2008」を東京浜町で開催する予定です。これは世界で初となる本格的な「コメント付き動画」研究の学会であり、世界のニコニコ研究家達が一同に集います。

 NicoNico JAPANは、動画・音楽を初めとするコンテンツの制作者、また動画製作ツールやプラットフォームの開発者や運営者だけでなく、動画の視聴者までを「なかのひと」に包含する自主的なアソシエーションです。私たちは、この会を会員の自主性と創造性を尊重し、会員が創意に満ちた研究・啓蒙活動、コンテンツ制作、およびコメント投稿活動を行えるような組織にしたいと思います。

 以上の趣旨に賛同いただき、NicoNico JAPAN設立発起人一同より、皆様には今後の会の活動に積極的にご参加くださいますようお願い申し上げます。

平成20年4月

役員
【会長】 二胡 怒湾呉
【専務理事】 吉川 日出行
【事務局長】 濱野 智史

【メディア/アーキテクチャ論部会長】 濱野 智史(兼務)
【情報共有部会長】 吉川 日出行(兼務)

■その他開催予定の部会

【インターフェイス技術部会】
【インフラストラクチャー技術部会】
【コンテンツ表現論部会】
【ビジネスモデル論部会】
【法制度分析部会】
【認知科学部会】
【物語論部会】
【人口音声部会】
【森林妖精部会】 なつみかんの中の人

…等多数開催予定。

===

yoi

« 2008年3月31日

2008年4月1日の投稿

2008年4月2日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

吉川 日出行

吉川 日出行

みずほ情報総研勤務。情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングや新ビジネスモデルの開発に携わっている。

詳しいプロフィール

カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
knowledge
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ